これでアロンソの1台だけとなったマクラーレン・ホンダ。1回目のピットストップでフェリペ・マッサに逆転されていたため、マッサと同じ2回目のピットストップでは逆転できないと判断。第2スティントを長めに取って、最終スティントでスーパーソフトを履く戦略に変更する。この作戦によって、アロンソはレース終盤、マッサとテール・トゥ・ノーズの戦いを演じる。

　長谷川総責任者はその時の状況を以下のように語っている。
「最後の数周は、マッサが前を走るペレスに追いつき、DRSを使用できるようになったため、1秒差でマッサを追っていたアロンソだけがDRSの恩恵を受けるという状況とはならず」、マッサを逆転することができないまま、10位でフィニッシュした。

「ウイリアムズを抜くことはできませんでしたが、ほぼ現在の我々の実力を示すことができて良かったと思っています」

XPB Images

　1点を加えたアロンソはドライバーズ選手権では、マッサの逆転を許さずに10位を獲得。コンストラクターズ選手権ではトロロッソを抑えて、昨年の9位から6位に浮上して2年目シーズンを戦い終えた。

　最終戦を振り返った長谷川総責任者は、以下のように2016年シーズンを締めくくった。
「長い2016年のF1シーズンを通して本当によくがんばってくれたマクラーレン・ホンダのチームメンバー、ひとりひとりに感謝したい。それはサーキットにいるメンバーだけでなく、マクラーレンのファクトリーがあるウォーキングのスタッフ、HRD・UKがあるミルトン・キーンズ、そしてHRDさくらのスタッフ全員です。2016年の戦いは今日で終わりましたが、明日からは2017年に向けて全力で開発をプッシュしたいと思っています」

　忍耐の一年だった復帰初年度の昨年のマクラーレン・ホンダ。今年は復調の兆しを見せることができた。来年こそ、大きく飛躍してもらいたい。

（Text : Masahiro Owari）

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