ルノーのダブルチャンピオンに沸いた中国GPが終わり、マクラーレンのボス、ロン・デニスはふたつのタイトルを逃したものの今年は素晴らしい仕事をしたと発言。
「今年は勝つのが目標で、タイトル獲得は目標として掲げていなかった」ことを理由に目標は十分達成されていると負け惜しみともとれなくもないコメントでシーズンを締めくくっている。マクラーレンは今年、信頼性のなさに悩まされ続けたが、終わってみれば優勝回数は、ダブルチャンピオンのルノーより2回も多い最多の10回を飾り、デニスもご満悦の様子だ。
デニスはロイター通信に対し、次のように述べた。
「私たちは完敗という感じを抱いていない。マクラーレンのパドックに来て、周囲を見渡してごらん。マクラーレン・レーシングの今年のビジョン記述書には、毎GPに出場して勝利を飾ると書いてある。『ワールドチャンピオンを手に入れる』とは書いていない。『全戦に出場して優勝する』と書いてあるのだ」
「もちろん、ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルの重要性はわかっている。しかし、私たちが完敗したとは思っていない。頭をうなだれて上海を後にするつもりはない。反省すべき点はもちろんあるが、みじめな負けに終わったわけではない。私たちはかなり素晴らしい仕事を行った」
ライバルのルノーは、今季開幕4レースでマクラーレンがもたつく間に、タイトル争いで有利な立場に立てたことが勝因だったと繰り返し述べている。マクラーレンはオーストラリア、マレーシア、バーレーンで優勝を逃し、続くサンマリノではライコネンがトップを快走中に左ドライブシャフトにトラブルを生じてリタイアした。その後、マクラーレンは調子を上げたが、度重なるトラブルでリタイアを重ねた。
「開幕からの4レースは慎重になりすぎた」とデニス。
「後になって考えてみれば、新しいマシンとエンジンを導入したスペイン戦以降、もっとアグレッシブにいけたのだからね」
デニスはまた、ライコネンとモントーヤを襲ったリタイアの多さも指摘した。完走数で言えば、ルノーもファーストドライバーのアロンソの方がセカンドドライバーのフィジケラより多いことに違いはないが、ライコネンのマシンはトラブルに頻繁に見舞われた。モントーヤもライコネンと同じようなトラブルに悩まされたが、彼がタイトルを逃した大きな要因は、シーズン序盤に負った肩のケガにあったと言ってよさそうだ。
「信頼性について何度も取り上げられたが、数値的にどうと言うことはできない」とデニス。
「私たちのマシンは素晴らしい走りを見せた。18回も表彰台に上り、10勝した。しかしながら、シーズンの終わりに望むような結果が得られなかったので、いくらかはフラストレーションがたまっている。チーム同様、ふたりのドライバーも今シーズンはよくやってくれた。来シーズンもこの勢いを維持できるよう、ハードワークに務めたい」