ウイリアムズBMWチームは、今週末のドイツGPにファン‐パブロ・モントーヤのチームメイトとしてテストドライバーのアントニオ・ピッツォニアを出場させることを決定、周りの憶測に終止符を打った。
チームは、アメリカGPで事故に見舞われたラルフ・シューマッハーの代わりにマルク・ジェネを走らせたが、彼は2戦ともポイントを獲得できなかった。そこで、ピッツォニアがF3000時代には優勝経験もあるホッケンハイムでチャンスを与える決断を下したのだ。ブラジル人であるピッツォニアは、昨シーズン、ジャガー・チームからF1デビューを飾ったが、ドイツGPの直前にジャスティン・ウィルソンに交代させられた。
スペイン人ドライバーであるジェネはチームから素晴らしいチャンスを与えられたことを十分に認識していた。しかし、ポイント獲得に失敗し、ピッツォニアの出番となった。決定前は、マーク・ウェバー、アンソニー・デイビッドソン、ニック・ハイドフェルドらが候補に挙がっていた。
ピッツォニアは、「チームからチャンスを与えてもらって、すごくうれしいね。ポイントを獲得してチームに貢献できるように、最善を尽くすつもりだ」と語った。「今は週末のドイツGPに全神経を集中しているし、レース前のはっきりしたプランもある」
彼はしばらく実戦から遠ざかっており、それをチーム側は仕方のないことと受け止めているが、同時に、彼が最近のテストで見せている調子の良さがレースに現れてくれるように願っている。
「BMWのホームレースで、アントニオがウイリアムズから初出走するにあたって、彼がポイント圏内でフィニッシュできるよう、最大限のバックアップをするつもりだ」と、テクニカル・ディレクターのサム・マイケル。
ドイツのグローブに本拠地を置くBMWにとって、失格になったレースやポイントを稼げなかったレースを含め、ここ数戦のチームパフォーマンスは非常に落胆させられるものだった。BMWモータースポーツ・ディレクターのマリオ・タイセンは、ヘレステストのパフォーマンスの良さがホッケンハイムまで続くことを期待している。
「イギリスGPの後、我々が新たにマシンに搭載した様々なパーツを、ヘレスで試すことが出来た。これは、とても重要なことだよ。この後、8月中旬のハンガリーGPまでテストが禁止されている分、やりたかったテストを達成できて、本当に良かった」と、タイセンは説明した。
「特にシャシーやエアロダイナミクスのためのシミュレーションは、コースを使ったテストにすべて及ぶと言うわけではないからね。けれど、ドイツGP初日のセットアップに大いに活用できそうな膨大なデータを、ヘレステストで得られたよ」