BMWザウバーの代表、マリオ・タイセンは、セバスチャン・ベッテルとティモ・グロックはチームを離れたものの、将来、両者とチームが再び共に働く日が来るかもしれないと語った。
ベッテルはスクーデリア・トロロッソに、グロックはトヨタに、それぞれレースドライバーとして移籍を果たした。タイセンは、将来ふたりがBMWザウバーに戻ってきたくなったときには歓迎すると述べている。
「私はがっかりはしていない」
バレンシアで行われたフォーミュラBMWワールドファイナルにおいて、英クラッシュネット・ラジオの取材にこたえ、タイセンは、ふたりの離脱についてこう語った。
「むしろ当然のことだと思っている。大勢の力のあるドライバーたちが、極めて限られた数のシートを獲得すべく争っている。当然、新人は一歩ずつ上を目指していかなければならない」
「彼らにチャンスが訪れ、他でのチャンスをつかむということは、自然なことだと思う。だからといって、彼らがずっと他のチームにとどまるとは限らない。いつの日か、彼らが私たちのマシンに復帰する機会が訪れるのを楽しみにしているよ」
タイセンは、テストドライバーの座を誰が引き継ぐのかということについてははっきりしたことは語らなかった。うわさでは、イギリスF3のチャンピオン、マルコ・アスマー、F3ユーロシリーズのニコ・フルケンベルグ、昨年のフォーミュラBMW ADACチャンピオンのクリスチャン・ビエトリス、GP2で優勝経験のあるアダム・キャロルなどの名前が挙がっている。
タイセンは、フォーミュラBMWのドライバーにある程度アドバンテージがあることは認めたものの、グロックやベッテル同様ドイツ出身のドライバーにこだわることはないと述べている。
「ドイツにこだわることなく探している」とタイセン。
「これまでもずっとそうしてきた。今年ドイツ人をふたり起用したのは、国籍がものをいったのではなく、彼らがフォーミュラBMWに関与していたことが大きかった」
「フォーミュラBMWで1年か2年、共に働いたドライバーなら、私たちとしても評価しやすい。そういった意味で彼らにはアドバンテージがあるが、国籍で決めることはない。私たちは世界中に目を向けて探しており、もちろん、フォーミュラBMWで走ったことのないドライバーたちもチェックしている」
「フォーミュラBMWは、世界的規模で、若手ドライバーのための優れたシングルシーター入門カテゴリーとしての地位を確立していると思う。レースとしてのみならず、広範囲にわたる教育プログラムを提供するという意味で、優れたカテゴリーだ。例年どおり、バレンシアでは有望なドライバーたちを大勢見た。(ビエトリスも)十分F1ドライバーになれるだけの才能を持っていると思うが、あと2、3年は必要だ」
「彼らがフォーミュラBMWの1、2年の間に学んだことを上級フォーミュラで生かしてくれるのが、私にとっては重要なことだ。子供たちが成長していくのを見るのは楽しい。今後数年のうちに彼らの中からF1にデビューするドライバーが現れることを、心から期待している」