スーパーアグリチームは、グランプリの週末の金曜のプラクティスにレースドライバーの1人が参加できなくなることを意味する2007年シーズンのレギュレーションに対して、変更を要請しようとしている。
来季から施行されるルールでは、金曜のプラクティスセッションでのサードカーの使用が禁止されるが、90分のセッション2回において、3人のドライバーが2台のマシンを使って走行することは認められる。
しかしながら、この新しいルールの下では、サードドライバーのいるチームはレースドライバーだけを走らせるチームに対して不利になる可能性がある。テストドライバーにチャンスを与えれば、レースドライバーのひとりの走行時間をそれだけ削らざるを得なくなるからだ。
これを受けて、去年F1に参戦したばかりのスーパーアグリチームのマネージングディレクター、ダニエル・オーデットは、若いテストドライバーにドライブのチャンスを与えたい小さなチームにとって不利な状況とならないように、ルールの変更を望んでいることを認めた。過去にもしばしばそのような例が見られたように、そうした若いテストドライバーは、チームにスポンサーの資金を持ち込んでくれることもあるからだ。
オーデットはロイター通信に対し、次のように語った。
「次のF1委員会で、他のチームに対し、金曜日のプラクティスではテストドライバーに必ずマシンをドライブさせなければならないというルール変更を提案してみる。そうならなければ、2台のマシンしか使えない以上、レギュラードライバーだけを走らせるチームに対して不利になるのを承知で、テストドライバーを走らせることはできない」
「(金曜日に)若いテストドライバーを走らせれば、マシンのセットアップに影響が出るし、結果として予選やレースでも競争力が低下する。みんながサードドライバーを金曜日に走らせ、それを義務付けることにすればいいと思う。つまり、少なくとも90分間のセッションのひとつについては、レギュラードライバーのひとりがドライブしてはならないことにするんだ。そうでなければ、金曜日にテストドライバーを走らせるチームはほとんどなくなると思う」
「ただ、来年もテストドライバーの役割が重要かどうかは、やってみないと分からないところがある」
ルール変更には、グリッド上の全チームが満場一致で賛成することが条件だ。ただし、フェラーリやルノー、マクラーレンといったフロントランナーが、トップドライバーの1人に週末に向けての重要な準備をさせず、暇を与えて遊ばせておくようなこのルール変更を受け入れるかどうかは微妙なところだ。
スーパー・アグリは2007年に向け、レースドライバーとして佐藤琢磨とアンソニー・デイビッドソンと契約しているものの、テストドライバーについてまだ発表していない。