ヘレス・サーキットでは8日、9チーム、計17人のドライバーが参加して合同テスト2日目のセッションが行われた。トップタイムをマークしたのは、フェラーリのルカ・バドエルだったが、バドエルはその後、マシンが大破するようなアクシデントに見舞われている。
バドエルは午前中に1分18秒237のトップタイムをマークしたが、午後の走行でマシンの右フロントにメカニカルトラブルが発生したためにコースアウトし、そのままバリアに激しく衝突した。
バドエルはテスト初日にもコースアウトしているが、今回また同じような形でトラブルが出たことから、チームはこの日に予定していたテストプログラムを取りやめ、トラブルの原因をつきとめる決断を下した。その結果、僚友のマルク・ジェネも走行が制限されてタイムが伸ばせず、14番手に終わっている。
2番手はホンダのジェンソン・バトン。3番手、4番手にはルノーのフランク・モンタニーとヘイキ・コバライネンが続いた。ふたりのタイム差は、わずか0.068秒だった。チャンピオンチームルノーのふたりは、それぞれ100周以上を走破している。フランク・モンタニーは広範囲にわたるブレーキのテストと開発に集中して取り組み、さまざまな対処方法を比較するため、ユーズドタイヤを用いてロングランを重ねた。一方のコバライネンは、重点をタイヤテストに置き、ミシュランとともに来季に向けたショートランおよびロングランの対処に従事した。
前日からトヨタで参加したライアン・ブリスコーは、自身のテスト最終日となるこの日に5番手タイムをマークした。翌日以降は、リカルド・ゾンタが引き継ぎ、テストを担当するようだ。また、テストに参加予定だったラルフ・シューマッハーは、以前に怪我を負った箇所に痛みを訴えて参加を見送ったため、ヤルノ・トゥルーリが1日早くテストに合流、午後だけの走行ながら6番手に入っている。
トヨタ勢は、ブリスコーのマシンにハイドロリック系のトラブルが発生したものの、それ以外に大きな問題は出なかった。テクニカルディレクターのマイク・ガスコインは、2日目が順調に進んで喜んでいる、と述べている。
7番手は、前日のナレイン・カーティケヤンに代わって走行を行ったウイリアムズのマーク・ウエーバー。8番手に僚友のニコ・ロズベルグが続いた。9番手は、マクラーレンから参加のDTMチャンピオン、ゲイリー・パフェット。午後、パフェットのマシンにエンジントラブルが発生し、パフェットはリヤホイールをロックさせてバリアに衝突、早めにテストを終了せざるを得なくなった。翌日からはペドロ・デ・ラ・ロサがテストに参加する予定だ。
10番手は、ホンダ車をドライブしたジェームズ・ロシター。11番手にはレッドブルのデイビッド・クルサードが入った。マクラーレンのテストドライバー、アレクサンダー・ブルツが12番手タイムをマークしたが、パフェット同様、ノートラブルとはいかなかった。ブルツは午前中の早い時間帯にアクシデントに見舞われ、MP4-20Bにひどいダメージを負い、2時過ぎまで走行を中断させられている。マクラーレンは現在、アクシデントの原因を究明中だ。
13番手はレッドブルのクリスチャン・クリエン。15番手は、前日のトーマス・ビアッジに代わり、MF1レーシングから初のF1テストに臨んだジェフリー・バン・フーイドンク。オランダ出身のバン・フーイドンクは、EJ15Bの習熟に努めると同時に、コントロールシステムのテストや空力パーツのデータ収集に励んだ。彼は、アクシデントが多かったために数々のレッドフラッグに邪魔されたが、それでもテストの進み具合には満足だった、とテスト終了後に述べている。
16番手は、この日から合流したBMWザウバーのジャック・ビルヌーブ。ビルヌーブがV8エンジン搭載車をテストするのは、今回が初めてだった。午前中はオイルフィルターの不具合でエンジンスイッチが切れるというトラブルに悩まされたが、なんとか周回数を重ねている。
最下位は、クリスチャン・アルバースに代わりステアリングを握った、MF1-トヨタのティアゴ・モンテイロ。モンテイロもまた、初のV8エンジンのテストでテクニカルトラブルに煩わされたが、V8とV10の差異についての解析をスタートさせている。