大方の予想に反して、フェラーリは今週末のオーストラリアGPでミナルディが旧型車を走らせることに同意せず、当面は態度を保留することを決めた。
ミナルディのボス、ポール・ストッダートは、すでに昨シーズン中から2005年の新車両規定パッケージの決定が遅れたことを理由に、彼のチームの2005年型マシンが完成する来月のイモラまでは、今年の車両規定に適合する車両を用意できないと主張してきた。そして他の9チームのうち8チームまでは、新車が完成するまでミナルディが2004年仕様のマシンを走らせてもかまわないと明言したが、フェラーリだけはストッダートが今週末に彼の母国で2台のマシンをグリッドに並べるための同意書へのサインを拒んでいる。
皮肉なことに、そのフェラーリも昨年のマシン改造型でシーズンの開幕を迎えようとしているのだが、彼らには今年の車両規定に合わせてF2004を改造するだけの資金とリソースがあった。
ミナルディが今週末のレースに参加できるかどうかの議論は、実は車両規定だけの話ではなく、もっと根深いところに端を発している。ストッダートがコスト削減と収益の公平な分配を求める戦いの先頭に立っているのに対し、先日フェラーリは現行のコンコルド協定を延長する契約に(おそらく相当な額のボーナス報酬と引き換えに)単独でサインをした。そして今のところフェラーリを除く9チームのうち7チームは、ストッダートと共にマニュファクチャラーのグループであるGPWC側につくことを表明しているのだ。
ストッダートは、先に自らメディアに示唆した、他の8チームが彼を支援して今週末のレースをボイコットするという可能性を否定した。しかし、イベントに大きな打撃を与えるのを避けるために、彼のチームの参加についてもう一度考え直さなければならないと述べた。
「昨夜ジャン・トッドと電話で話したが、彼はまったく協力的ではなかった」とストッダートはBBCに対して語っている。「トッドはこれがFIAの問題だとする態度を曲げなかった。だがマックス・モズレーは、私たちがフェラーリの署名さえもらえば、レースには出られると公言している。私はそのことを(トッドに)理性的に説明しようと試み、少なくとも話し合いができるように、すでにメルボルンにいるフェラーリの他のメンバーを代理に立ててほしいと頼んだが、彼はそれも拒否した。そして電話での会話は何の結論にも至らずに終わった」
ストッダートによれば、フェラーリの署名がなければ、おそらく彼のチームのマシンは木曜日の車両検査を通過できず、土壇場で車に改造を加えて車検に臨むか、あるいは出場を取り止めてこの件を法廷に持ち込むかの選択を迫られるという。
「最後の手段として、文字どおりの最後の手段として、高等法院でこの車両規定の有効性を問うという選択はありうる。ただ、今回で10周年記念を迎えるこのメルボルンでのグランプリに関しては、私自身がせっかくのパーティを台無しにしてしまうようなヤツにはなりたくないんだ」
ミナルディPS04Bは、すでにメルボルンで行われた公道でのパレードランに参加しているが、レース本番に参加できるかどうかについてはかなり雲行きが怪しくなってきた。