予想されていたとおり、15日火曜日にミナルディはオーストリア出身のパトリック・フリーザッハーが来季のラインナップに加わることを発表した。だが、多くの人を驚かせたのは、彼がテストドライバーではなく2005年のレースに出場するということだった。
4年間のF3000でのキャリアで何度か優勝経験もある24歳のフリーザッハーは、昨年ミサノで行われたテストでミナルディチームに好印象を与えた。しかし、来季のレースシートに関しては、2003年に同チームでシーズンの一部に参戦した経験があり、スポンサーも持っているデンマーク人のニコラス・キエーサが有利と見られていた。フリーザッハーは以前に何度かミナルディの2シーターマシンのドライバーにも起用されているが、どうやらキエーサが資金の獲得に失敗したために、彼にお鉢が回ってきたということらしい。
「僕にとって、これは長い間抱いてきた夢の実現だ」とフリーザッハー。「このチームの雰囲気は最高なんだ。それにどれだけ多くのトップドライバーがミナルディでキャリアをスタートさせたかを考えてみれば、僕にとってもこれに優る場所はないと思うよ。このチームの一員になれて光栄だと感じている。この素晴らしい機会を最大限に生かしたい」
チームボスのポール・ストッダートは、これまでセカンドドライバーの候補については何も明かさず、一時はフリーザッハー起用説を否定さえしていた。メディアを含めた大部分の人々がクリスチャン・アルバースのチームメイトになるのはキエーサだろうと信じた理由もそこにあり、先週はデンマークのメディアもキエーサのF1復帰を報じていた。
「パトリックと契約を交わせてたいへんうれしい」とストッダート。「彼は11月にミサノで行ったテストで私たちのスタッフにきわめて良い印象を与えていた。また、昨年キャラミで開催した南アフリカF1×2グランプリでも、彼は間違いなくスターのひとりだった」
「彼は速いだけでなく、安定したペースで走れるドライバーだ。また、エンジニアにテクニカルなフィードバックを行う能力にも優れている。パトリックとクリスチャン・アルバースとのコンビは、今年のミナルディにとってきわめて強力で若さにあふれたドライバーラインナップになると確信している」
フリーザッハーの起用が正式に発表されたことで、今季のラインナップが確定していないのはレッドブルだけになった。だが、そのレッドブルのレースシートもすでに契約を交わした3人の中での争いとなっており、少なくともシーズンの序盤はクリスチャン・クリエンがステアリングを握る公算が高い。昨年のFIA F3000チャンピオン、ビタントニオ・リウッツィにとっては、フリーザッハーを含めて、彼の後塵を拝した何人かのドライバーに一歩先を越された形になる。