ニック・ハイドフェルドは、ウイリアムズBMWチームとの初テストで見せた速さにより、来年のレースシートを得る可能性が高まってきたようだ。ウイリアムズチームが、今週、ハイドフェルドを二度目のテストに参加させることを明らかにした。
ハイドフェルドは、もともと12月9日に同チームでドライブすることになっていた。しかし、BARが、先週行われる予定だったアンソニー・デイビッドソンのウイリアムズでのテストを阻止したため、ハイドフェルドにアピールのチャンスがまわってきたのだった。そして、スペインでのテストで速いタイムをマークしたことにより、ハイドフェルドは、元来の日程にもドライブするように招かれた。ウイリアムズとBMWが、再び彼の起用を検討する機会を持つためだ。
ハイドフェルドは、同チームとの初テストの終わりに、次のように述べた。「マシンに乗った2日間に、心から満足している。FW26は、とてもドライブするのが楽しいマシンで、僕は一周ごとにどんどん慣れていった。もう少し走行時間があればよかったと思う――そして、もっと天候がよければね。そうすれば、マシンがドライでどんなハンドリングになるのか、ちゃんとした感触がつかめただろう。でも、全体としては、とても満足の行くテストだったよ」
従来の見方によれば、アントニオ・ピッツォニアがレースドライバーに昇格して、すでにシートの確定したマーク・ウエーバーと共に走り、ハイドフェルドは、チームのテストドライバーにおさまるのではないかと考えられてきた。しかし、ヘレスでの結果により、ウイリアムズの首脳陣は、明らかに選択肢について再検討することになったようだ。
「ニックは、約束されていた期日に再び走行することになる」と、チームのスポークスマンがロイター通信に対して語った。
ピッツォニアとウエーバーも、今週、テストを継続することになっている。チームにとっては、今回のテストが、クリスマスと正月の休み前に行う最後のテストとなる。2003年に、シーズンの半分をジャガーでチームメイト同士として過ごしていたピッツォニアとウエーバーだが、この両ドライバーに加えてハイドフェルドが、先週、3日間のヘレステストに参加して改良型のFW26をドライブした。
天候には恵まれず、あまりドライでの走行はできなかったが、それでも3人はかなりの走行を重ね、マシンの開発パーツの成否を判定するのに十分なデータをエンジニアに与えた。3人は3日間の合計で2241kmを走破した。
テストチームのマネージャー、ティム・ニュートンは次のように語った。「前の週のバルセロナテストは、ずいぶんトラブルがあったが、ここ(ヘレス)ではかなり進歩できた。マークとアントニオとニックは、3人とも、暫定仕様のマシンでいい仕事をしてくれた。天候は悪かったが、3人とも素晴らしい走行距離をマークすることができた」
「このチームでの初走行となったニックは、うまく溶け込んで、とても生産的なフィードバックをしてくれた。ファクトリーとコースで働いている全員に感謝しなくてはいけないね。バルセロナでの初期トラブルを解決するために、この1週間、全員が頑張って働いてきたのだから」