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悲願の王座奪還に向け、高速レイアウト重視へと方針転換したフェラーリ/F1オフシーズンテスト総括(1)
2018年3月12日
オフシーズンテストが終了し、あとは3月23〜25日に開幕するF1オーストラリアGPを待つのみとなった。順調にテスト項目を消化したチームもあればトラブルで走れなかったチームもあり、マシンの仕上がり具合が気になるところ。今回は全6回に分けて各チームの開幕戦の展望を紹介していく。
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■メルセデスを打ち破るべくフェラーリが変更したホイールベース
今年こそ、悲願の王座奪回を目指すフェラーリ。現時点で最後のタイトルは2008年のコンストラクターズ部門、ドライバーズ王座は前07年のキミ・ライコネンにまで遡る。栄光からは、もう長い歳月が流れた。
昨季、F1テクニカルレギュレーションに大幅な改革が行なわれた1年目、フェラーリ開発陣はシャシーに他車とは異なる技術アプローチを採った。規定変更がありながらも大半のチームがクルマの基本コンセプトを大きくは変えなかったのに対し、マラネロは大胆に手を入れたのだ。独創的なサイドポンツーンデザインもそのひとつだが、まず最初の出発点としてショートホイールベースの採用があげられる。
ホイールベースとは、そのクルマの性格の根幹を成すものだ。一般にショートホイールベースは低速レイアウトや直角コーナーの連続するコースで、クルマに優れた回頭性をもたらす。
ただその一方、高速安定性には欠けるきらいがある。フェラーリの前年型というのは、まさしくその傾向を体現するクルマだった。セバスチャン・ベッテルが全5勝を挙げたコースはいずれも直角コーナーの連続を持つか低速型で、高速レイアウトではメルセデスの牙城におよぶことはなく、結果タイトル争いに敗れることになった。
それでも16年の未勝利シーズンから較べれば、5勝は大きな前進だ。同じく予選のポールポジションも16年のゼロから、5回を記録するにいたる。ベッテルのドライバーズ部門、コンストラクターズランキングとも2位に甘んじたわけだが、技術的トライの価値はあった。
そして、18年型新車で今度こそメルセデスを打ち破るには、どうしたらいいのか。『SF71H』はサイドポンツーンの独自デザインをさらに突き詰める一方、ホイールベースは伸ばしてきた。この転換は高速レイアウトでのメルセデス捕獲を狙いとするのだろうが、却って新車を際立ったところのない、凡庸なものとしてはしまいか? そんな危惧もされる。
ベッテルは8日間のテスト日程のなかで、全体ベストとなる1分17秒182をマークした。これに次ぐのが僚友ライコネンで、1分17秒221。メルセデスのベストは18秒台に留まる。
だがこれを好材料と捉えるのは、時期尚早だ。ベッテルとライコネンのベストはいずれもピレリのもっとも軟らかい新コンパウンド『ハイパーソフト』によって記録されたもので、メルセデスはそのタイヤを履いて本格的アタックに臨むことはなかった。
そして、このハイパーソフトというタイヤは、まず市街地コースやよほどの低速レイアウトでしか使われることはない。そうしたレースは年間でも限られる。
ただ、バルセロナのような中高速コーナーもふんだんに含むレイアウトでハイパーソフトが使えたというのは、ここ近年の跳ね馬の美徳であるタイヤへの優しさは新車にも引き継がれたとみていい。また、クルマの挙動に対して鋭敏すぎるほどの感性を持つライコネンが、SF71Hに好印象を口にしているのも完全にプラス要素だ。
果たしてSF71Hの行く先には、長く遠ざかった跳ね馬戴冠の日が待つのか。
(Shin Yasui)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |