ヘレス・サーキットで16日、参加ドライバー7人によるF1合同テスト4日目が行われた。ドライコンディションの中でトップに立ったのは、ルノーのテストドライバー、フランク・モンタニーだった。
ルノー・チームは、モンタニーと3番手タイムをマークしたフェルナンド・アロンソのふたりで、計213周を走破している。
午前中セットアップのプログラムを進め、午後からはブレーキ評価のプログラムに取り組んだモンタニーは、ルノーとの最後の走行を翌日に控え、次のように述べている。
「プログラムを終わらせようと忙しい1日を送ったけど、最終的にトップタイムを出すことができて嬉しいよ」
「最後の数周は、いつもとは全く違う気持ちで走っていた。その数ラップを限界まで楽しみたいと思ったし、そのためにも必死になった」
「チームとは本当にいい2年間を過ごし、望ましい関係もいくつか作り上げてきた。これから僕の新しい1ページが始まる。またレースに出場したいし、それが来年にも叶うことを願っている」
木曜日の走行が13人だったのに対し、この日はトヨタ、BMWザウバー、マクラーレン・メルセデスといったチームの姿はなく、フェラーリからもドライバーはひとりのみの参加で、全部で7人による走行となった。
そのフェラーリのミハエル・シューマッハーが2番手。シューマッハーはV8エンジン搭載車とV10エンジン搭載車を交互にドライブし、114周を走り切っている。
シューマッハーはテスト後、次のように語った。
「またステアリングを握れて幸せに思ったし、この2日間のヘレステストも、大きなトラブルに悩まされることもなく順調に終えることができて、満足しているよ」
「チームがここ数週間の間いい仕事をこなし、ブリヂストンも同様に努力してきた成果だ。またテストが再開され、コースに戻るのが今から待ちきれない」
3番手のアロンソは、V8エンジンに見合うようにパワーレベルを抑えたV10エンジンを搭載したマシンを、今回初めてドライブした。その目的は、ドライビングスタイルやセットアップの点でどういった調整が必要なのかを理解し、さらに2006年に向けたタイヤ開発の感触をつかむことにあった。
「前向きな1日を送ることができたよ。来年がどういう具合になるのかを理解するためにエンジンパワーを落としたマシンをドライブして、全てがうまくいったからね」2005年シーズンが終了して以来、初めてのドライブに臨んだアロンソは、そう語った。
「パワー不足はすぐに分かるけど、あっという間に慣れてしまうだろう。いずれにせよ、誰にとっても状況は同じだ。(パワーが落ちても)F1マシンがドライブしやすくなるとは思わない。ひとたび限界ギリギリで攻めようとすれば、F3マシンでもF1マシンでも、またV10エンジンであろうとV8エンジンであろうと、いつだって難しいものだからね。今回はシミュレーションしたセットアップで臨み、ライバルたちに負けないようなタイムが出せた。来シーズンはR26でも同じような感じでいけるはずだ」
4番手にはウイリアムズのニコ・ロズベルグが入った。もう1台のFW27Cをドライブしたナレイン・カーティケヤンは6番手だった。
5番手に入ったホンダのテストドライバー、アンソニー・デイビッドソンは、午前中にロングランをこなしながらタイヤ評価に従事し、午後からはシャシーのセットアップ用プログラムに取り組み、計81周を走行した。
7番手は、同じくホンダの“コンセプトカー”でテストに臨んだジェンソン・バトン。バトンは、テストの前半をマシンのバランスを見つけ出す作業に費やし、その後はシャシーのセットアップをいろいろと試した。その間に2回の小さなトラブルが発生し、さらにはギヤボックスの交換を余儀なくされているが、それでも88周を走り切っている。
「今日はプログラムを邪魔するようなトラブルがいくつか発生してしまい、望んでいた周回数までは届かなかった」とバトン。
「シャシーのセットアップ比較を完了し、有益なデータは収集しているけど、今日はちょっとツイていなかったね。過去3週間のテスト期間について言えば、全体的にすごく見通しの明るいものだったよ。今までのところ、これまでの冬季テストの中でも最高の出来だ。信頼性もあるし、テストプログラム自体も順調だった。この勢いのままで来年に突入できると思う」