2007年か2008年に導入が予定されているラジカルな新エアロパッケージについてアンケートを行ったところ、ファンの多くが、レースにおいてオーバーテイクを増やすという効果が見られるなら、導入に賛成だと考えていることが分かった。
センターライン・ダウンウォッシュ・ジェネレーティング(CDG)と呼ばれる新ウイングは、従来のウイング中央部がなく、左右に分割された形になっており、リヤホイールの後方だけにそれぞれ独立したウイングが設けられる。マシン後方に発生する“乱流”をコントロールして後続のクルマのダウンフォースに悪影響を与えないようにし、オーバーテイクのシーンを増やすのが狙いである。
新ウイング構想が明らかになった当初、驚きと共にデザインが「醜い」との批判が出る一方で、空力の専門家たちは、FIAとテクニカルパートナーのAMDはウイング形状を変えることでオーバーテイクを増やすと考えているが、ウイングだけでなくマシン全体のことを考えなければオーバーテイクが実際に増えるかどうか判然としないと反論している。
新ウイングについて英クラッシュネットがアンケートを行った結果、狙いどおりオーバーテイクが増えるのならば新ウイング導入に賛成という意見が多数で、FIAが行った調査と同様の結果が出た。ファンは、マシンの格好良さより競争が1番重要だと考えており、新ウイングの導入に65%が賛成した。
一方、マシンの見た目の点から新ウイング導入に反対だと答えた人は21%だった。
残る14%のうち、オーバーテイク増加の如何によらずF1マシンにはそろそろ新スタイルを導入する必要があると考えている人が10%、2005年は白熱したシーズンだったためF1が再び盛り上がったのだから、来季以降も現状のままでよく、下手な改革は不必要だと考えている人が4%だった。
F1委員会はいまのところ、2008年からならばCDGウイングの導入に賛成するとしているが、同ウイングについて更なる調査をした後に再評価したいと述べている。