マクラーレンのロン・デニスは、セカンドチームに関するウワサについて、ある程度の真実性があることを認めたが、会社としては財政的・ロジスティクス的に可能な場合しか、そういった方向には進まないだろうと述べた。
2006年には、2チーム参戦体制の片方のチームの指揮をとることになるとみられているニック・フライとクリスチャン・ホーナーへの質問に引き続いて、デニスはセカンドチームの実現可能性について質問を受けた。このセカンドチームは、最初は「チーム・ドバイ」としてウワサされ、今では日本の「ディレクシブ」とのつながりが取り沙汰されている。コンコルド協定では、12チームまでの参戦を認めており、ホンダが来季11チーム目となるかもしれないエントリーについて話をしているところだ。
デニスはこう語った。
「私たちがその計画を始めたのは、3年前、マクラーレン・アプライド・テクノロジーズが誕生した時のことだ。この会社は実際、すべてのグループ会社から生ずる知的財産を管理し、それを金を生むビジネスに振り向けられるかどうかを決断している。もちろん、グランプリチームというものは、どれだけ投資しようとも2台しかグリッドに着けることはできないので、そのビジネスは研究開発と投資によって成長するわけだが、顧客、つまりエンドユーザーはその2台のマシンに目を向けることになる」
「というわけで、ぜひトライして顧客を広げよう、4台をグリッドに着けてみよう、というビジネス上の議論があるわけだが、それと同時にコンコルド協定の規定には従わねばならないことから、もうひとつのチームの援助を行うということを検討するようになったのだ」
「我々のモデルは、他の人々のモデルとは非常に異なっている。だからといって、我々が正しく、他の人々が間違っているというわけではないし、その逆というわけでもない。それは他とは異なるモデルであり、私たちが次の条件を確信できる場合にのみ、実行可能なモデルである。(a)コンコルド協定に合致するやり方でプログラムを実行すること。(b)関係する人々にとって経済的な意義があり、私たちが自らのレース活動に悪影響を被らずに貢献できるということ。この2点だ」
考え方の背後にある理論を説明した後、デニスは、セカンドチームのアイデアを追求する、新たな機会を与えられていることを認めた。
「それは絶えず検討されており、私たちは現在、この2、3カ月間で与えられた新たな機会について、現在検討しているところだ」
マクラーレンでテストドライバーを務めたこともあり、DTMでメルセデスをドライブするジャン・アレジが、マクラーレンのセカンドチームとのかかわりをウワサされている。今季GP2でオリビエ・プラ、クリビオ・ピッチオーネ、吉本大樹の3人をサポートして知られるようになったディレクシブが、このチームを支援するのではないかと言われている。