4度のF1チャンピオンであるアラン・プロストは、来年のル・マン24時間への出場を考えているのではないかという、フランスメディアの観測を否定した。
このウワサが浮上したのは、プロストの長年の協力者であるユーグ・ド・ショナックがアウディと契約を結び、2005年にサルテ・サーキットでR8のプロトタイプの少なくとも1台を走らせることが明らかになってからだった。しかし、プロスト自身は、この話が事実無根であると否定した。
プロストは、フランス屈指の若手ドライバーたちと共にル・マンに参戦するチャンスをド・ショナックから提示されたことは認めた。しかし自分は、優勝候補に挙げられるマシンであっても、そのレースに参戦したいという望みは持っていないと語った。
フランスのスポーツ紙レキップに掲載された記事への返答として、スポークスマンが語ったところによると、プロストは氷上レースのシーズンに向けて、ド・ショナックのオレカ・チームと共にアンドロス・トロフィーに参戦する準備を進めてはいるが、ル・マン24時間については“リスキーすぎる”と考えているという。
ド・ショナックは、その後レキップTVのインタビューに対して次のように語った。「この話には、ほとんど真実は含まれていない。8日前に私は、3人のフランス人ドライバーと勝てる車と共に、ル・マン24時間に参戦すると発表したが、そこにアランが含まれているとは決して言っていない」
レキップ紙によれば、プロストは若手のエマニュエル・コラールとステファン・サラザンと共に、オレンジのスポンサードするR8をドライブするとされていたが、ド・ショナックが述べたところでは、プロストは肉体的に24時間レースを走る準備はできていないという。ただし、プロストはアンドロス・トロフィーでオレカの用意するトヨタ・カローラをドライブするために、集中して準備をしている。
オレカは、ル・マン参戦のために元ベロックスのアウディを入手しており、チームボスのド・ショナックは、ラインナップに加わろうとするドライバーたちの相手で忙しくなるだろうと認めている。現在のスポンサーであるプレイステーションは、参戦に協力すると見られているが、この関係がレキップ紙の示唆したオレンジのスポンサードとどうつながるのかはまだわからない。
オレカは以前、クライスラーとダラーラのプロトタイプをル・マンで走らせたことがあるが、どちらのときも、ワークスやプライベーターのアウディの後塵を拝すことになった。しかし、トップクラスへの一歩を踏み出すのに先立って、ド・ショナックのチームは、クライスラー・バイパーGTS−Rでクラス優勝をなしとげた。