新たにケープタウンを候補地として、4年以内に南アフリカGPを開催できるかもしれないという主張は少しばかり時期尚早だったのかもしれない。期待していた南アフリカ政府の援助が得られるかどうかは、想像以上に厳しいものであることが明らかになったのだ。
地元のサンデー・タイムス紙によると、南アフリカ政府は経費のかかるプロジェクトを立ち上げる意思はなく、オーガナイザーを務めるだろうオメガ・コンソーシアムとの話し合いも行き詰まっているという。
「最初に政府各層と3段階にわたり話し合いを行ったが、政治的な意向と実際の財政的援助への可能性が見受けられた」とオメガCEOのデイビッド・ガントが語った。「しかしながら、次の会合を開こうとする我々の試みは成功に至っておらず、関係者に理解してもらうのは難しそうだ」
ガントは、F1のボス、バーニー・エクレストンのサポートを受け、その必要経費としてオメガ・コンソーシアムが約2億ランド――プロジェクトを進めるに当たって必要な経費のおよそ50%と考えられている――を確保していたことを明らかにした。また、ガントは配当金を別にしても、南ア政府がレース契約下にある7年間で、収益税と付加価値税を合わせてほぼ10億ランドを受け取るであろうと見積もっている。さらに、毎年各グランプリでレース関係の観光事業から同等の利益が上がる可能性もあるとも予想している。
しかし、南アフリカもまた、年々タバコ問題が深刻になりつつある。あらゆるタバコ広告を禁止する厳重な反タバコ法があり、ケープタウンにF1を招致しようとするならば、その法律を免除する許可が下されなければならないのである。ガントは、その反タバコ法を(レース開催中の)3日間だけ無効にすれば、F1イベントから得られる収益を医療費に転用することで埋め合わせることができるだろうと主張している。しかし、南ア政府が考えを変えるという確信はないようだ。