MotoGPチャンピオンのバレンティーノ・ロッシが、当分の間は2輪の世界で全力を傾けると明言したが、F1ワールドチャンピオンのフェラーリは、彼を諦めてはいないようだ。
ロッシはすでにフェラーリのF1マシンをテストしたことがあり、F1のトップチームであるフェラーリが3台エントリーを求められた場合には、彼が走ることになるのではないかとの憶測がこれまでずっとなされてきた。しかしロッシは、少なくともあと2年はMotoGPに残り、その後で4輪レースへの転向を検討してみると強く主張している。
ミハエル・シューマッハー、ルーベンス・バリチェロのふたりと2005年の契約を結んでいるフェラーリは、このロッシの声明に落胆はしなかったようだ。今週、ルカ・モンテゼモロ社長は、この才能に溢れた2輪チャンピオンのために、マラネロのドアを開けておくと語った。
モンテゼモロは、伊RTLテレビに以下のように語った。
「バレンティーノは、これまでずっと2輪での結果が示してきているように、素晴らしいチャンピオンだ」「彼はまだ若い。だから、彼がF1に転向したいと思えば、時間はたっぷりある。我々が予想したように、彼はさらなる成功を収めるためにその時間をMotoGPに費やしたいようだ。しかし我々は、これからもずっとバレンティーノとの未来を考え続けるであろう。そして、(彼のために)フェラーリのドアを開けておくだろう」
2輪と4輪の両ワールドタイトルを獲得しているのは、ジョン・サーティースだけである。ロッシがフェラーリ入りする可能性があるというウワサを受けて、そのサーティースが口を開いた。彼は、ロッシに対し、若さが味方についている間に、すぐにでも転向を考えるよう強く勧めた。
サーティースは、英サン紙で次のように語った。
「もし‘バレ’がF1で成功したいのであれば、彼自身のレベルが落ちたときではなく、まだ十分に乗れている間に転向すべきだ」
「彼は間違いなくF1レーサーの資質を持っているが、彼が速さを持ち合わせているかどうか、そこが肝心だ。生まれながらの速さがあるならば、結果はついてくるだろう」
ロッシ自身はF1よりもラリーの方に関心を示しているのだが、F1入りのウワサが絶えることがない。彼が以前レプソル・ホンダチームに所属していた際、スペインのオイル会社レプソルが、F1で唯一ホンダ・パワーで走らせているBARと組むとすれば、ロッシがドライバー候補のひとりになるのではないかと考えられていた。特に、ウワサされたとおり、ホンダがブリティッシュ・アメリカン・タバコが所有するチームの株の多数を買収するとすれば、その可能性が高いのではと思われていたのだ。レプソルは数年前にアロウズのスポンサーを行っていたが、それ以降はF1とは関わっていない。