コスト削減のための具体的な提案を示した「インテルラゴス文書」に署名するため、9チームの代表が集まる会合が開かれ、その提案をフォーミュラワン委員会に提出することが確認された。
この会合では、「代表者が多忙のため」との理由で欠席したフェラーリを除く9チームの代表者がヒースロー・ヒルトンホテルに集まり、2週間前にブラジルで大筋合意された基本提案に具体的な肉付けをする話し合いが行われた。コンコルド協定によれば、主要なルール変更には10チーム全ての同意が必要とされるが、フォーミュラワン委員会(これにはバーニー・エクレストン、FIA会長マックス・モズレー、タイヤメーカーやエンジン供給者の代表、スポンサーやプロモーターも参加している)に提案を行うことについては、この会合に出席した9チームの代表だけでも決定権があり、同委員会を通じて世界モータースポーツ評議会でルール変更の票決を行うことができる。
コスト削減のためのルール変更案の筆頭は、コントロールタイヤの採用とテストの大幅な制限だ。grandprix.comの報道によると、署名に参加した9チームはこの要望をさらに推し進めて、テストを自主的に50%減らそうとしているようだ。フェラーリがこのグループへの参加を拒否し、これまでどおり自社のプライベートサーキットでのテストを続けた場合、他の9チームはフェラーリがレースで勝つたびにテスト制限への不参加を非難するだろう。“ルール”を破って勝ち続けているというイメージは、フェラーリとしても避けたいはずだ。
また、こうしたテストの削減を前提として、9チームはグランプリカレンダーを最大19戦まで拡大することにも合意しているという。コンコルド協定で義務付けられた最大17イベントの枠を守ろうとするバーニー・エクレストンの意向により、カレンダーから外されそうになっているシルバーストンやマニ‐クールにとって、これはいいニュースに違いない。
報道によれば、9チームの代表はこの会合でバーニー・エクレストンにも会い、この両レースを含めた契約の可能性を打ち出した。この件に関してはFIAとフェラーリの同意が必要だが、実際には彼らが反対する可能性は低いと考えられている。さらにイギリスGPについては、エクレストンがシルバーストンでのレース開催を継続するという契約をBRDCと交わす必要もある。