入賞者に与えられるのはトロフィーと自慢話をする権利だけであるにもかかわらず、ブラジルではF1グランプリに次ぐビッグレースとされているグラナ500まであと10日あまり。11月13日の深夜0時にスタートするこの500マイル・チャリティ・カート耐久レースに向けて、出場者たちは準備に余念がない。
1周約1.4km、20のコーナーを持つカートドローモ・デ・グラナ・ビアナは、サンパウロ郊外に位置し、ジャフォーネ家の人々によって設計され、建設され、維持されている。ご存知のとおり、ジャフォーネ家の息子フェリペはIRLインディカーシリーズのレースウイナーである。
このチャリティレースには、F1、インディカー、チャンプカー、F3000、そしてNASCARからも大勢の有力ドライバーたちが出場する。メジャーなブラジリアンドライバーたちは、ほぼ全員が74チームの出場枠のひとつをつかもうと争っていると言ってもいいほどだ。
昨年はマリオ・ハバーフェルド、コスタリカのカートレーサーであるチャールス・フォンセカと組んだクリスチャン・フィッティパルディがこのレースを制した。彼らは今年もタイトルを防衛するために出場する。
その他のエントラントには、ルーベンス・バリチェロ、アントニオ・ピッツォニア、ファン‐パブロ・モントーヤ、フェリペ・マッサ、ルチアーノ・ブルティ、そしてデイビッド・クルサードらが含まれる。バリチェロとマッサはこのグラナ500で4回も優勝を経験している。
IRLを代表するのは2004年のチャンピオン、トニー・カナーンと同2位のダン・ウエルドン、ビットール・メイラ、フェリペ・ジャフォーネ。チャンプカー・シリーズからは、マリオ・ハバーフェルドの他、オリオール・セルビアも出場する可能性がある。さらには、ロベルト・モレノ、ロドリゴとリカルドのスペラフィコ兄弟、そしてカートからフォーミュラ・ルノー、F3、ストックカーシリーズまで、ブラジル国内選手権のチャンピオンたちがほぼ勢揃いして、栄冠を争うことになるだろう。
この500マイル・チャリティレースは、ブラジル国内のすべての主要なテレビネットワークで大々的に取り上げられ、スポーツ専門ケーブルテレビチャンネルでは10時間以上に及ぶ生中継を行う。スポーツ関係の新聞や雑誌がこの話題で持ち切りになることは言うまでもない。
モータースポーツが国民的娯楽のひとつとしてきわめて重要視されているこの国で、グラナ500はいまや人々が一年のうちで最も楽しみにしているレースウイークなのである。