終盤の2レースにトヨタで出走し、評判とやる気を取り戻したかに見えるヤルノ・トゥルーリ。彼によれば、グリッドを決めるための新システムが導入されることで、来シーズンの予選は一段と興味深いものになるはずだという。
2005年シーズンから採用される「2パート合計タイム」のフォーマットでは、各ドライバーは土曜の予選を燃料の軽い状態で走り、日曜の予選はレースをスタートするときの燃料搭載量で走ることになる。モナコGPのウイナー、トゥルーリは、これによって妥協の余地は一切なくなると考えている。
「まだ真剣に考えてみたわけじゃないけど、いずれにせよ僕らはそのシステムに適応していくだろう。今のやり方よりも予想がしやすくなるはずだ。なぜなら、最初の予選ではみんなが燃料を軽くして走るから、すべての車とドライバーのコンビネーションの本当のポテンシャルがわかる。日曜の予選は、今年の2回目の予選とあまり変わらないと思う。あまりたくさん燃料を積むと、予選順位を大きく落としてしまうからね」
「僕の新しいフォーマットへのアプローチは今年と全く同じだ。ドライバーとしては、ひとつもミスが許されなくなる。今年のプレクオリファイでは、メインの予選セッションの出走順を有利にするためだけに、車にダメージを与えるリスクを冒したくないと誰もが思っていた。でも、来年は事情が違ってくる。どちらのセッションでも激しくプッシュするしかないだろう。僕はこの新しい予選方式を楽しみにしているよ」
ルノーR24からトヨタTF104Bに乗り換えることは、トゥルーリにとってレースウイナーから中団グループへの“降格”を意味した。しかし、新しいチームとそのマシンに慣れるにつれて、彼はこの冬の間にトヨタが大きく進歩するとの確信を深めたという。
「率直に言って、僕のトヨタ・チームへの移行は問題なく進んだと思う。来シーズンに向けて改善すべきことがいくつかあるのは確かだけど、概して僕はチームにとても歓迎されていると感じるし、将来的にも大きなポテンシャルを持ったチームだと思う」
「TF104Bの第一印象はとても良かった。ブラジルではいい週末をすごし、車のバランス、セットアップ、ハンドリング、タイヤチョイスもうまくまとまった。そして鈴鹿に続く2戦連続で予選トップ10に入った。だけど、金曜から土曜までのプラクティスで一番心強く感じたのは、ロングランでのペースが安定していたことだ」
「だが、特に車のリアエンドでタイヤのデグラデーションが大きいこと、そして全体的にグリップが不足していることにも気付いた。これはこの車がシーズンを通じて悩まされてきた問題なんだけどね。残念ながら、それは一夜にして解決できる問題ではない。車により多くのダウンフォースを与えるために、風洞での仕事をタップリとこなす必要があるだろう。それがうまく行けば、車はスライドしにくくなり、タイヤの磨耗や発熱を抑えられる。トラクションも良くなって楽になるはずだよ」
「今のところ、最初のテストは11月の末のバルセロナになる予定だ。おそらくラルフと一緒に走ることになる。いずれにしても、2005年に備えてこの冬の間にできるだけ多くのテストをするだろう。正直言って、今はまだテストの内容については知らないけど、とても忙しいテストになることは間違いないよ!」