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フェラーリ、“退屈”な将来を望む

2004年11月3日

 フェラーリは、2004年シーズンに圧倒的な強さで両タイトルを獲得し、ファンのF1離れを招いたという非難さえ受けている。しかし同チームはこれからも、面白さのためにやり方を変えるつもりはないという。

 週末に行われたチームのシーズン末の祝賀会で、ルカ・ディ・モンテゼモロ社長は、次のように語った。熾烈なタイトル争いを期待する者にとって、F1は“退屈”になってしまったかもしれないが、フェラーリチームは、2005年以降も同様の結果を得ることしか考えていないという。
「私たちのなしとげた成功は、私たちにとって、フィアットにとって、イタリアにとって、また、この結果を得るために共に働いたすべての人にとって、とても大切なものだ。F1が退屈だという人もいるが、私たちはこの“退屈さ”を楽しみたい――この先もたっぷり“退屈”したいと思っている」と、モンテゼモロ社長は述べた。
 モンテゼモロ社長は、長年、F1参戦のためのコスト削減を支持してきたが、F1の明らかなレベルダウンは支持していない。また、このスポーツの収入の“より公平な”分配については、特に熱心に主張してきた。
「F1にはオーバーホールが必要だし、私たちは将来を考える必要がある」と、社長は9月に語っていた。「このスポーツを大衆に見せるやり方に関して、ひとつの時代の終わりが来ている。各チームは、こんな少しの分配金ではやっていけない。私たちはテレビ放映権料のたった47%しか受け取っておらず、いくつかのチームは来年レースをする予算を見つけるために苦労しているのだ」
「私たちは状況を分析するつもりだし、皆そうするだろうが、ただコスト削減だけに頼るわけにはいかない――もっと、資金が入ってこなくてはならない。現在の状況はとても受け入れられないし、このスポーツは中小のチームにとって、そして私たちにとってさえ、あまりにも金がかかりすぎるようになっている」


 F1の収入の分配方法について議論する際には、明らかに不快感を示すモンテゼモロだが、このスポーツをより手の届きやすいものにするためにFIAが示した提案には、賛成しているようだ。
「私はFIAに賛成だ。安全性が問題になるときには、いつも賛成している。マシンはあまりにも速くなってしまっているし、一歩後退することが必要だ。チャンピオンである私たちにとって、変更は得にはならないが、安全性の方が大事だよ」
「私たちにとって、F1は2つの理由から重要だ。ひとつは、市販車に適用できる技術研究の場として。もうひとつは、広告によらずに、フェラーリの名を全世界に広める手段としてだ。しかしながら、参戦のコストを考えねばならないし、その資金を投じる価値があるかどうか判断しなくてはならない。(2007年以降)その先、どうするべきか熟考する必要がある。レースはフェラーリにとって最も重要なものだが、必ずしもF1でなければならないということはない――F1は、フェラーリの過去であり現在でもあるわけだが。そして、F1がフェラーリの未来でもあるように、私は強く望んでいるがね」
 たとえ、それが“退屈な”未来であっても……。




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