ブラジルGP決勝でポールポジションからスタートしたルーベンス・バリチェロ（フェラーリ）が母国で初めて表彰台に登り、ブリヂストンは好調のうちに今季を終了した。地元のヒーロー、バリチェロは、レース序盤の変わりやすい天候によって濡れていた路面が徐々に乾いていく中で厳しいレースを強いられた。
　序盤のフェラーリ・チームのピットストップで首位から9位に順位を落としたバリチェロは、その後果敢に攻め続けて順位を上げ、最終的に3位でゴールした。同じくブラジル出身のフェリッペ･マッサ（ザウバー）も序盤のダンプ・コンディションに苦しみながらも、安定した力強いレース運びを見せて8位でゴール、1ポイントを獲得してシーズンを終えた。チームメイトのジャンカルロ･フィジケラ（ザウバー）はマッサに続く9位だった。
　一方、グリッド18番手からスタートしたミハエル･シューマッハ（フェラーリ）は7位でゴールした。ニック・ハイドフェルト（ジョーダン）は15周で戦線を離脱したが、ティモ・グロック（ジョーダン）、ゾルト・バウムガルトナーとジャンマリア･ブルーニ（いずれもミナルディ）は完走し、次につながる形でシーズンを終えた。
　
菅沼寿夫　ブリヂストン･モータスポーツ・テクニカル･マネージャー
「今日のレースでは序盤に難しいコンディションに直面した。ブリヂストンタイヤは変わりやすい状況にうまく対応したが、全面的な強さを発揮することができなかった。シーズンを勝利で終えることは叶わなかったが、このような結果は今後の開発を評価するにあたり改良が必要な点を明らかにするので、常に建設的なものである。ルーベンスの結果をうれしく思う。彼はこの週末を通してずっと調子がよく、ポールポジションと母国初の表彰台にふさわしい仕事をした。グリッド後方からスタートしたミハエルにとっては難しいレースだったが、ルーベンス同様に素晴らしい走りを見せて7位でゴールした。ザウバーの両ドライバーの結果もうれしく思う。彼らは好タイムを記録し、上位集団にずっとついて行っていた。これはタイヤの観点から見るととてもうれしいことだ。フェリッペは1ポイントを獲得し、シーズンを良い形で締めくくった。今年ブリヂストンは素晴らしい結果を達成した。最終戦で優勝できればよかっただろうが、勝てなかったことで2005年に向けて我々の士気がいっそう高まっている。2004年は歴史的な年で、ブリヂストン装着4チームと共に働くことは楽しかった。今後は将来を見据えて、これからもF1最高のタイヤを供給し続けることができるよう、2005年度開発プログラムに集中することになる。」

ロス・ブラウン　スクーデリア･フェラーリ･マールボロ　テクニカル・ディレクター
「我々にとってレース序盤の展開がとても難しいものとなった。路面は濡れてはいたが、我々が装着していたウェットタイヤに最適な状態ではなかったため、かなり早い段階でピットストップが必要だった。ドライタイヤに変更後は温まって順調に走り出すまで時間がかかり、レースでの優勝が困難になった。しかし路面が完全に濡れているか、乾いているときには、ブリヂストンタイヤは素晴らしい。その中間のわずかな間が難しく我慢が必要な時間帯で、それが我々のライバルたちには好機となる場合がある。それでも、総合的に見て今年のブリヂストンタイヤは素晴らしかったと言ってよいだろう。今日のルーベンスは、序盤のピットストップ後の状態を考えれば、素晴らしい仕事をした。彼はラルフ（シューマッハ）、アロンソ、佐藤を抜き、我々はピットストップ時にできる限りの仕事をした。」

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