ブラジルGP前に行われた会合で、それまでポール・ストッダートと共闘して賛成意見を表明していたコスト削減提案について、フェラーリを除く9チームのボスが賛成するという予期せぬ結果を手にしたエディー・ジョーダンが、来季も開幕戦のグリッドに着くと、興奮気味に語った。
ブラジルGPでは週末を通じて、シルバーストンのカレンダー離脱の噂とともに、ジョーダンのF1撤退の噂で持ちきりだった。エディー・ジョーダンもまた、当初は噂を否定できない様子であったものの、会合での予期せぬ結果に、俄然元気を取り戻した。
「とても難しいシーズンだったが、今週末はいくつかの点で前進し、F1とジョーダンの素晴らしさを再び示すことができそうな気持ちになることができ、とても満足している。チームについては1年を通じていろいろな噂がたってきたが、チームスタッフ、ならびにサプライヤーをはじめ、私たちと密接な関係を結んでくれている人々に対し感謝したい。とても厳しい時期であるにもかかわわらず、みんな決してあきらめることなく、ファイティングスピリットを持ち続けてチームのために努力してくれた」
「この経験によって私たちは本当に強くなった。この勇敢さに幸運の女神が微笑んでくれると信じている。2004年のブラジルGPはレースそのものより、ジョーダンというチームとF1のことがみんなの記憶に残ることだろう。そして、来シーズンも私たちはグリッド上にいるはずだ」
カスタマーエンジンを巡り、トヨタからエンジン供給を受けるのではという質問についてジョーダンはコメントを避けたが、インテルラゴスではトヨタの臨時本部を訪れていた。
トヨタのボス、ジョン・ハウエットは週末、次のようなコメントを表明した。「あと1週間ぐらいは待つつもりだ。どこかから声がかかれば私たちはエンジン供給について真剣に考えるだろう。来季からエンジン1基を2イベントに渡って使用するというルール変更があり、このままではエンジンの供給が難しい状況になってしまったが、トヨタでは現在、エンジン供給が可能になるよう準備を行っている最中だと考えている。あと3週間もすれば試練の時が始まる。しかし、ここで決心しなければ、私たちは自らのプログラムを妥協しなければならなくなる」
来季のF1へのエントリー締め切りは11月15日。ジョーダンは来シーズンもグリッド上にマシンを並べる考えだが、エントリー締め切りまでにまずはエンジンの契約を済まさなければならない。
ジャガー・レーシングのボス、トニー・パーネルはインテルラゴスで、2005年と2006年用の新しいテクニカルレギュレーションを踏まえ、2004年とは異なる契約条件になるものの、コスワースからジョーダンに対し、来シーズンのエンジン供給について正式なオファーを出していることを明らかにした。
パーネルはロイター通信のインタビューに対し、次のように述べた。「来年のレギュレーションについてすべて明らかになったいま、ジョーダンにオファーを出している。また、ミナルディとも同様の契約を交わすことは難しくない。もちろん、彼らはすぐに決断できるような状況にないため、まだいくつかハードルを越えなければならないと思う」
ハードルはコスワース側にもある。フォードのF1撤退表明とともに、コスワースはジャガー・レーシング同様、売却されることになった。とはいえ、パーネルはその問題については円滑に解決するだろうと自信を持っている。
「なんとかコスワースを守らなければならないことには違いないが、コスワースの利益は莫大なものだ。従って、1週間かそこらの間には、かかる契約について締結できると踏んでいる。F1チームは薄利だが、エンジンメーカーは違う。コスワースは大きな利益を出している。ビジネスの観点からして、コスワースは優良企業だ」