ロス・ブラウンは、2006年から新たに導入予定の2.4リッターV8エンジンが、全体としてはより安上がりになるだろうと述べた。これは、BMW、メルセデス、ホンダの主張する、変更が高くつくという見方とは逆の意見だ。
その3つのマニュファクチャラーとは異なり、フェラーリは最初からV8化構想を支持している。フェラーリはデザイン面で他より先んじているだけでなく、ライバルよりもいい仕事ができるという自信があるのだ、というのが、皮肉屋たちの見解だ。
「私たちには、エンジンのコストを削減できる可能性があると思う」と、フェラーリのロス・ブラウンは述べた。「2.4リッターV8への変更に従うことに抵抗があるのは、ある程度理解できる。私たちの見方では、エンジンの製造数が減り、コンポーネントの数が減ることになる。たいしたことはないと思われるかもしれないが、コンポーネントの数は減少する。私の経験では、ここ数年、エンジン・マニュファクチャラーは毎年新しいエンジンを造っている。私たちは確かに、毎年新しいエンジンを造っているし、そのエンジンの構造はかなり異なっていることが多い。2.4リッターV8への変更は、たいした変化ではないし、何も劇的なところはないと思う。そのエンジンに制限されることにより、ジオメトリーと素材の点から、基本的に安価なエンジンとなるだろう」
「フェラーリのようなチームは、持っているかぎりの資金を使うだろう、と言われるかもしれない。それは確かにそうだ。私たちは財源を確保しており、それは他のプロジェクトに振り向けられるだろう。だが、ザウバーのようなエンジンを購入しなくてはならないチームにとっては、手頃なコストのベースを保つのは非常に重要なことだ。そういったチームは、この先、エンジン代の支払いにかなりの違いが出ることを知るだろう。それが、私たちが変更を支持した理由のひとつだ。フェラーリは、パートナーやスポンサーから得られる予算を使うだろう」