今週末に、ある国際的な合弁企業が、予定より1年早く新しいチームでのF1参戦を表明するのではないかとの報道が流れている。イタリアのウェブサイト、F1grandprix.itの報道によれば、そのチームのダラーラ製のマシンが日本GPの行われる鈴鹿で世界に紹介され、来春のオーストラリアGPのグリッドに並ぶ可能性があるという。このプロジェクトは、コスワースエンジンと提携するのではないかとの予想もされている。ただし、先日、親会社のフォードによりコスワースの売却が発表され、これによって現在のカスタマーであるジョーダンとミナルディはこのままだと来季用のエンジンを失うことになるという状況下にある。また、エンジンサプライヤーの候補としては、トヨタの名前も挙がっている。
当初、この新F1チームについては、ユーロF3000のトップチームであるドラコが、ロシアかカナダからの出資を受けて、マネージメントを行うのではないかという推測もなされていた。それ以前は、ドファスコ社がスポンサーとしてウワサされ、ロシアの有名ビジネスマン、チェルシーFCのオーナー、ロマン・アブラモビッチ、TVR代表のニコライ・スモレンスキー、鉄鋼メーカー社長のアレクセイ・モルダショフ、アルミニウム会社社長のオレグ・デリパスカらの名前も取りざたされていた。しかし一方で、カナダの鉄鋼会社数社がスポンサーになるとの憶測もあった。これらの報道によると、このプロジェクトは、来季1年はダラーラのニューシャシーのテストに当て、2006年からのエントリーを計画しているとされていた。しかし、来季に関しては、現在売却先を求めているジャガーに加え、ジョーダンも参戦が不透明なため、エントリーの空きができる可能性があり、このため予定を前倒して参戦できるかどうか、チャンスをうかがっているということもありえる。
ダラーラは以前、F1に参戦したことがあり、1988年から1992年にかけ、スクーデリア・イタリアにシャシーを供給していた。また、1998年にホンダの注文を受けてシャシーを製作したこともある。しかし、それ以降は、F3やワンメイクのニッサン・ワールド・シリーズのシャシー製作に力を注いでいる。