BARホンダのドライバー、ジェンソン・バトンが、今週末の中国GPの開催地、上海サーキットの“バーチャル”ラップについて解説してくれた。
「上海でのレースを楽しみにしている。あそこは特別なサーキットだからね。基本的にはかなりハイダウンフォースのサーキットで、きわめて奥の深いコーナーがいくつかあるから、肉体的にはとても厳しいだろうと思う。オーバーテイクができそうな場所もいくつかあって、いいレースが期待できるはずだよ。もちろん、それは上海にとってもフォーミュラワンにとっても重要なことだ!」
「サーキットの最初の部分はとても難しそうだ。でも、グランプリのスタートではエキサイティングなシーンが見られるだろう。ホームストレートエンドへ向かう下り坂でのスピードは時速300キロを超えるはずだ。超高速で順位を争いながら1コーナーに入るときには、正しいブレーキングポイントを見定めることが何よりも重要になる。コースは坂を上がりながら、奥へ行くとさらにタイトになる右コーナーへ続く。このコーナーは永遠に続くような感じがするだろうね! このトリッキーなセクションでは車のバランスを維持することが重要だ。曲がりながらいくつもギヤを落とさなければならないんだ。そして次はタイトな2速の左コーナー、ターン2へ入る」
「ここからターン3までの緩い右カーブは全開で行けるだろう。ターン3は低速でダブルアペックスの右コーナーだ。最初のアペックスではかなり速度を落とすが、2つめはフルスロットルで通過する。この先のセクションはとても上手に設計されていて、ドライバーにとっても楽しめる部分になると思うよ」
「ターン4へは時速250キロを超える速度で入る。このサーキットで一番の高速コーナーだ。これに続くのが左右のコーナーを組み合わせた“S字”で、ここではターンのたびにシフトダウンをする必要がある」
「そしてコースの最後のセクションの短いストレートの終わりには、きつい左コーナーがある。ターン7と8はタイトな左コーナーとそれに続くきわめて長い右コーナーで、そこを立ち上がるとメインストレートだ。ここでは車が不安定な状態にならないように慎重にスロットルを踏む必要があるけど、もしオーバーテイクを狙っているのなら、立ち上がりで速度を乗せていかなければならない。ここはこのコースで一番スピードが出るところで、時速320キロを超えるかもしれない。そこからこのコースでは最も低速で、たぶん時速50キロくらいで通過する1速の右ヘアピンへのブレーキングだ。ヘアピンを立ち上がるとシフトアップしながら加速し、高速の左カーブを4速で抜けてスタート・フィニッシュラインへ戻ってくる……」