熾烈なランキング争いの最中にいるルノーF1チームは、今週末、初開催となる中国GPに向かう。イタリアでは、不本意なリザルトにより、コンストラクターズ選手権2位の座を失い、また2人のドライバーのうち1人が交代することになった。
モンツァで、ルノーチームは、選手権2位の座を失うと共に、モナコGPの勝者であるヤルノ・トゥルーリの離脱という予期せぬ動きがあった。トゥルーリは、シーズン末にチームを離れることをドイツGPで発表するという異例の決断をして以来、チーム内での自分の立場が悪くなっていると感じていた。それは被害妄想に近いと、チームボスのフラビオ・ブリアトーレは述べていたのだが、イタリアGPでの冴えないパフォーマンスの後では、トゥルーリがチームを離れるのはほとんど避けがたいことだった。
トゥルーリの代わりに、1997年のワールドチャンピオンであるジャック・ビルヌーブが、フェルナンド・アロンソのパートナーとして、今季残り3戦を走ることになった。ビルヌーブは先週シルバーストンで、チームとのテストを成功裏に終えている。アロンソは、モンツァでは、4位あるいは3位に入れるかもしれなかったところを、スピンアウトでフイにしてしまったが、R24にはフェラーリに次ぐ2位の栄誉を奪還する力があると確信している。
「僕らはやれると思うよ、もちろん」と、アロンソは語った。「強い精神力を持つ、強いチームだし、レースをするときには進んでアグレッシブになる。それは僕の流儀でもあるし、チームの態度でもあるんだ。BARをもう一度追い抜くために、これから今年の終わりまで、僕らはアグレッシブになる必要がある。すごい戦いになるだろうからね。僕らはとてもいいマシンを持っているし、今後の3つのサーキットで戦闘力を発揮してくれるだろうと思う。僕はここ2戦は完走していないけれど、僕らはとても速かったしね。チームの全員が、モンツァの結果から立ち直って、中国でBARに戦いを挑むつもりだよ」
19人のライバルたちと同様に、アロンソも、新しい上海のコースを図面とエンジニアのコンピュータ・シミュレーションで事前に見ることができただろうが、彼は、中国に行ってみるまでは、サーキットのことはよく分からないだろうと考えている。
「正直なところ、サーキットのコース図ではたいしたことは分からないんだ。コースのことが本当にちゃんとした形で分かるのは、レース前の週に、エンジニアたちと一緒にコースを歩いてみる時だろう。でも、新しいサーキットではほかの場所よりも、ドライバーの役割はずっと重要だと思う」
「コースについて学ぶだけでなく、エンジニアたちと一緒に作業もしなくちゃならないんだ。そのサーキットがどんな風か、コースのツボは何か、マシンの挙動はどうか、といったことを説明する必要がある。誰も経験がないし、目印にするポイントも分からないんだからね。ドライバーは、新しいサーキットに素速く順応する力が必要だし、それは僕の強みのひとつだと思っているんだ」