パナソニック・トヨタ・レーシングのドライバー、リカルド・ゾンタが、今週末の中国GPを前に、資料や写真から上海のコースの印象を語り、イベントに向けての抱負を述べた。
Q:今週、F1の各チームは、初開催となる中国GPに臨みます。コース図とシミュレーションから見た、新しいサーキットの印象はいかがですか?
リカルド・ゾンタ(以下RZ):上海インターナショナル・サーキットは、僕が見た限りでは、中位から高いダウンフォースのサーキットのようだ。ストレートがとても長いから、ハイ・ダウンフォースではないけれど、とてもツイスティなセクションもある。ブレーキング時、特に向きを変える時に、とても安定したマシンであることが重要になるだろう。また、いくつかのコーナーでは、トラクションによって大きく差がつきそうだ。3コーナー、9コーナー、13コーナーのように、ストレートセクションの直前にあるコーナーがそうだよ。15コーナーもそうだ。ホームストレートにつながる最終コーナーのひとつ手前にある、フラットなコーナーだ。
Q:オーバーテイクができそうな場所はありますか?
RZ:最後の方のセクションが、そうみたいだね。13コーナー出口から16コーナーまでの全体が、主なオーバーテイク・エリアになるだろう。ほかには、めぼしいチャンスはなさそうだよ。
Q:新しいコースを走るうえで、特に問題になるのはどんなことですか?
RZ:新しいサーキットはいつも、F1マシンがかなり周回するまでは路面が滑りやすいんだ。コースにラバーが乗っていないからね。つまり、最初のうちはマシンバランスが完全にはうまくいかないということだ。特に、プラクティスの最初の1時間はね。
Q:それは、タイヤを選択する作業にどのように影響しますか?
RZ:僕らはタイヤの比較作業を始めることしかできない。これはとても重要なんだ。この最初の時期が過ぎて、ラバーが乗り始めたときにね。そうなってからも、コースがとても滑りやすいために、何周か走った後で、グリップレベルが上がった分、すべて最初からやり直しをすることもあるんだ。
Q:普通、各チームは膨大な参考データを持って、サーキットに向かいますね。まったく新しいコースに行くときには、事前にどれくらいのことが分かっているのですか?
RZ:もちろん、僕らはファクトリーでシミュレーションをしているし、それはダウンフォースやギヤ比を決めるときに、ずいぶん役立ってくれる。でも、グリップレベルについては、現地に行くまで分からない。それは、マシンをドライブして初めて感じ取れるものだからね。それでも、レースの週末に向けて必要な情報は、金曜日の終わりまでに収集するよ。マシンで十分な走行ができればね。3台目をドライブするライアンも、最大限に利用するんだ。
Q:新しいコースということで、予選や決勝の結果がいつもより予想しにくいでしょうか?
RZ:新しいサーキットでは、予想外のレース結果になることがよくあると思う。チームと一緒にマシンを改善していく作業に、差が出やすいからね。しょっちゅうテストをしているコースに行くと、経験豊富なチームは、そのサーキットに最適なパッケージを最初から持っているということもある。でも、新しいサーキットでは、それ以外のチームでも、あっと言わせられる可能性が増えるんだ。それは、パナソニック・トヨタ・レーシングにも当てはまるというわけだよ。