Ｆ１ベルギーＧＰがフィニッシュして１時間後にスタートしたアテネ・オリンピックのマラソン競技に、昨年のイギリスＧＰのレース中に乱入したアイルランド人宣教師がまたも乱入する騒ぎがあった。
　５７歳の宣教師を名乗るこのニール・ホランという乱入者は、オリンピック男子マラソンの２２マイル付近で、先頭を走っていたバンデルレイ・デリマ選手(ブラジル)に突如沿道から飛びつき、デリマ選手を歩道に押し出してしまった。デリマ選手はなんとかレースに復帰したものの完全にペースを乱され、銅メダルに止まる結果となった。
　マラソン競技を観戦していた市民によって乱入者は取り押さえられ、直ちに近くの警察署で逮捕されたホラン。アイルランドの民族衣装に身を包み、宗教的メッセージが書かれたプラカードを掲げたこの男は、実は昨年のＦ１第１１戦・イギリスＧＰに乱入した男と同一人物。イギリスＧＰでは１２周目のハンガー・ストレートに突如乱入し、レースを大混乱に陥れた。
　そのイギリスＧＰでは、乱入者によって導入されたセーフティーカーをうまく利用したルーベンス・バリチェロが優勝。同じくコース上に乱入者が現れた２０００年ドイツＧＰでも優勝したバリチェロはイギリスＧＰのレース後「あの乱入者がブラジル人だと思ってるんだろ？」とジョークを飛ばしたが、今度は同じ男によってブラジル人が優勝を逃すことになってしまった。

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