赤い車に乗った男以外のドライバーがチャンピオン争いをするのを見たいと思っているファンには朗報かもしれない。ミカ・ハッキネンがF1に復帰するとのウワサが再燃しているのだ。
ロイターの報道によると、ハッキネンの前所属チーム、マクラーレンの代表であるロン・デニスは、シルバーストンで土曜日、この件について尋ねられて次のように答えたという。「ミカに会って、長い会話を交わしたよ。正直言って私には分からないし、ミカ自身にも分からないのだと思う」
ハッキネンは、レースから休業状態になって1年後、引退を発表したが、今回のウワサが事実だとすると、当時の彼のポジションから何らかの変化があったことになる。彼は常日頃、レースから離れた生活の変化を楽しんでいると語っていたのだ。
1998年と1999年の世界チャンピオン、ハッキネンはF1時代から比べると明らかに体型がふっくらしてきている。その彼は、いくつかのラリーの現場で姿を現したのを除けば、F1を離れて以来、レースの世界からは遠ざかっている。しかしこれまでも何人かそういうドライバーがいたように、レースに対する未練はなかなか断ち切れないものなのかもしれない。ハッキネンは今年、ジムに通うようになったばかりでなく、ここ数年より多くの回数F1の現場で彼の姿を見かけるようになった。
もし彼が復帰を果たしたとしても、元チャンピオンがF1に復帰するのは初めてのことではない。ナイジェル・マンセル、ニキ・ラウダ、アラン・プロストもまた、復帰を果たして世界チャンピオンの座を獲得している。
ウイリアムズは、ハッキネンの復帰が噂された上位チームのひとつであるが、この件に関するフランク・ウイリアムズの言葉は慎重だ。「ミカはかなりいろいろな人と話をしているものと思うし、必ずしも我々というわけではない。はっきりするまでは、我々としてはドライバーについて何も話せない」とウイリアムズは語った。
ウイリアムズだけがハッキネンが加入する可能性のあるチームだというわけではない。だが最有力候補であるし、契約するに十分な資金をもったチームでもある。前所属のマクラーレンは、ファン−パブロ・モントーヤとキミ・ライコネンでドライバーの枠は埋まっているし、その他の上位チームもほぼ同様だ。
だがトヨタならミカのためにシートを用意する事は可能だ。チームはラルフ・シューマッハーと契約はしたが、以前ミカ・サロとアラン・マクニッシュの2人ともが現在のドライバー、オリビエ・パニスとクリスチアーノ・ダ・マッタに取って代わったというケースがある。
明らかなことは、オリビエ・パニスのマネージメントは、ケケ・ロズベルグを含め、ミカ・ハッキネンと同じマネージメントチームであり、この中で十分に話は行われているはずだし、またトヨタチームとも交渉中であろうということだ。
ハッキネンの年齢は、ミハエル・シューマッハーよりわずか3カ月上なだけだ。マイク・ガスコインがデザインしたマシンに乗った再び生き生きとしたハッキネンの姿を見る、それをF1ファンが期待していることは間違いない。