フェラーリのルーベンス・バリチェロが、ヨーロッパGPでの佐藤琢磨との接触について語った。
レース後半、2位、3位を走っていたバリチェロと琢磨。2回ストップ作戦のバリチェロが最後のピットインを終えた数周後、3回ストップ作戦の琢磨も最後のピットインをする。コースに戻った時、琢磨はバリチェロの後方。フレッシュタイヤでギャップを詰めた琢磨は、強引に1コーナーでバリチェロのインに入る。この追い越しは、バリチェロの“協力”なくしては成功するのは難しいもののようだったが、バリチェロは最後の最後まで琢磨が来ることを察知しておらず、とっさに避けようとはしたものの間に合わずに2台は接触した。琢磨はフロントウイングを壊し、ピットイン。再びコースに戻るが、エンジントラブルのためリタイアとなり、初表彰台の夢は潰えた。
この後も走り続けて2位を得たバリチェロは、レース後にこうコメントしている。「こんなことは言いたくないんだが、あれはプロのアクションとは言えないね。彼はオーバーテイクできる状態ではなかった。幸いノーズが切り込んでくるのが見えたんで、僕は避けようとしたよ。彼は速かったから、最終的には僕を抜けたかもしれない。でもあのラップで抜く必要はなかった。あのラップでは仕掛けられる状態じゃなかったんだ」
「あの後、マシンの挙動がおかしくなってしまった。バージボードの一部がなくなったんだと思うが、空力的に、特に高速でマシンのフィーリングが変になってしまった。あれがレース終盤でよかったよ。他に何も壊れなかったのもツイてた」
一方の琢磨はこう語っている。「レースを通してずっと全力で戦い続けた。最後のピットストップでニュータイヤに換えてコースに戻った時、グリップがかなりよかったから、ルーベンスに仕掛けられると思った。追い抜きのチャンスと見たんだが、あいにく接触してしまった」
「それでも、僕はいいレースをした。マシンのペースはよかったし、かなりいい結果を上げられたはずだ。でももう次に期待だよ」