ジャン・トッドがスペインGPを振り返り、今回は運が味方してくれたからこそミハエル・シューマッハーが優勝できたという見解を述べた。
スペインGPのレース序盤、ミハエルはエグゾーストに亀裂が入るトラブルを抱えたが、運良くマシンをゴールまで維持することができた上、ライバルたちに大きな差をつけ、優勝を果たした。
ミハエルはヤルノ・トゥルーリを抜いてトップに立った後、エグゾーストにトラブルを抱えながらもレース中盤以降はトップを走り続けた。結局、ミハエルは、ピットストップでタイムロスしたバリチェロに13秒以上の差をつけて優勝した。
「素晴らしい1−2フィニッシュだったが、2台がゴールラインを通過するまでこのような結果になるとは思えなかった」とトッド。「ミハエルは11周目を周回中、左のエグゾーストにトラブルが発生した。原因はまだ調査中だ。F1では運も必要なもの。女神は今回、私たちに味方してくれた」
ミハエルも、トラブルを抱えた時から、1992年にナイジェル・マンセルが記録した開幕5連勝という記録に並ぶのは難しいと思っていたようで、それでもトラブルを悪化させないためには、スピードを落とさずに走る以外にないと考えていたらしい。
「ロス・ブラウンが無線で、打つ手はないと言った」とミハエル。「もちろん、マシンには気を気を使ったが、トラブルを悪化させないためにスピードをあまり落とすこともできなかった。精神的にかなり疲れたけれど、なんとかフィニッシュに持っていくことができた」
ブラウンによれば、エグゾーストのトラブル自体は大きな問題ではないものの、その周囲への影響が致命的なものになる可能性があったという。
「亀裂の入ったエグゾーストは、周回を重ねるうちに状態が悪くなっていたが、パフォーマンスそのものに影響はなかった。しかし、左サイドのボディワークに影響が出始めており、2回目のピットストップでは火も少し出ていた。それ以来、ミハエルはマシンのスピードを若干抑えなければならなかった。ミハエルはレース序盤でトラブルを抱えただけに、トップでフィニッシュするとは夢にも思っていなかった」