バーレーンGPを前にBARが採用し、ライバルチームたちも来るヨーロッパシリーズに向けて追従する構えを見せていた新型ウイングだが、FIAは来週のサンマリノGPを前に同ウイングを禁止するようだ。
バーレーンGP前にイギリスのオートスポーツ誌によって公表されたBARのウイングは、上段ウイングに沿って両エンドプレートまで複数の小さなついたてが取り付けられている。しかし、このついたての取り付け具合について、FIAはさらなるダウンフォースを生み出すことができると判断し、ウイングによる過剰な効果を抑止するルールの抜け道になると考えているようだ。
新ウイングはバーレーン戦で初めて使われ、すでにFIAの了承を得ているものと思われていたが、FIAのスポークスマンによると、「各チームに対し近々ウイングデザインに関するルールの明確化が通知される」とのこと。これはBARが導入したフェンスの使用禁止を明言した通知と考えられている。
英サンデー・ミラー紙によれば、今回の新ウイング禁止命令はウイリアムズチームによるクレームが発端らしい。バーレーンGP後に発売されたオートスポーツ誌のテクニカルレビューを見ると、ウイリアムズも同様のウイングコンセプトを試していたのだが……。
ウイリアムズの内部関係者はサンデー・ミラー紙に対し、次のように語っている。「BARがここのところ、トラック上だけでなく開発プログラムにおいても、とてもまとまりのある仕事をしていることは認める。例のウイングのアイディアは、FIAのテクニカル・ワーキング・グループ内で検討が続いているが、ウイリアムズとしては、たとえ1レースといえども、新デザインのウイングで有利なレース展開をさせることはできない。新ウイングが禁止されたときには、もうこちらがダメージを被った後ということにもなりかねない」