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フェルスタッペンが年間最多タイの13勝目、レッドブルがコンストラクターズ選手権制覇。角田は入賞【決勝レポート/F1第19戦】
2022年10月24日
2022年F1第19戦アメリカGPの決勝が行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝した。2位はルイス・ハミルトン(メルセデス)、3位はシャルル・ルクレール(フェラーリ)となっている。角田裕毅(アルファタウリ)は9位入賞を果たした。
決勝当日のCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)は、初日、2日目に比べると雲の多い天候。それでもレース中の降水確率は0%で、降雨の心配はなさそうだ。現地時間午後2時のレース開始時点で、気温28.5度、路面温度33.5度。風速8m以上の強い風が吹いているが、今日は裏ストレートで追い風となる東方向だ。
グリッド上では土曜日に78歳で死去したレッドブル創設者ディートリッヒ・マテシッツを悼むセレモニーが行われた。
今回もパワーユニットやギヤボックス交換によるグリッド降格ペナルティを受けるドライバーが多く、計6人に上がった。5グリッド降格が3人で、セルジオ・ペレス(予選4番手→9番グリッド)、フェルナンド・アロンソ(予選9番手→14番グリッド)、周冠宇(予選14番手→18番グリッド)。10グリッド降格がシャルル・ルクレール(予選2番手→12番グリッド)。そして角田がギヤボックス交換で13番グリッドから19番グリッドに、エステバン・オコン(アルピーヌ)が予選後のパルクフェルメでパワーユニットを交換したことで、ピットレーンスタートとなった。
その結果、フェルスタッペンがポールシッターのカルロス・サインツ(フェラーリ)と共にフロントロウに並んだ。奇しくもマテシッツが創設したトロロッソでF1デビューを果たした、かつてのチームメイト同士だ。そして2列目は、ハミルトン、ジョージ・ラッセルのメルセデス勢が占めた。念願の今季初優勝を狙うには、絶好の位置といえる。さらに3列目にランス・ストロール(アストンマーティン)、ランド・ノリス(マクラーレン)、4列目にバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)と、中団勢が並ぶ顔ぶれとなった。
ケビン・マグヌッセン(ハース)、アロンソ、ミック・シューマッハー(ハース)、そしてピットスタートのオコンが、スタートにハードタイヤを選択。それ以外の16人はミディアムタイヤだ。レース戦略は、2回ストップが予想される。
グリッドイン側から斜めにマシンを置いたフェルスタッペンが、スタートの蹴り出しよくターン1までに首位を奪った。サインツはターン1を上がり切ったところでラッセルと接触、スピン。リヤタイヤをパンクしながら何とかオコンの前でレースに復帰したが、マシンにダメージを受け、ピットに向かうとそのままリタイアとなった。
ハミルトンが2番手、ストロールが3番手に上がり、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)が5番手、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)が8番手、そして角田も14番手まで順位を上げた。4周目にラッセルがストロールをかわし、3番手に。しかしサインツとの接触で5秒ペナルティを科された。ガスリーはノリスを抜いて8番手に、角田もダニエル・リカルド(マクラーレン)をかわして、13番手に上がった。
4番手セルジオ・ペレス(レッドブル)が懸命に2台のメルセデスを追うが、ストロールを抜いた際にフロントウイングの右翼端板を失った。それでもペースに顕著な落ちは見られない。
10周目のアルボン、周を皮切りに、次周に角田、リカルドと次々に1回目のピットインに向かった。13周目には、2番手ハミルトンもピットに。7番手に後退した。14周目にはフェルスタッペン、ラッセルもピットイン。各車、第1スティントが予想より短い。タイヤの垂れが、かなり厳しいようだ。大部分がハードに履き替えたなか、アルボンと角田はミディアムを選択した。
2番手まで上がったルクレールだが、首位フェルスタッペンとのペース差はコンマ7〜8秒と大きく、3秒5開いている。
17周目、ターン19の進入でボッタスがスピン、グラベルにはまりリタイア。これでセーフティカー(SC)が導入され、即座にルクレール、ベッテル、さらにアロンソ、オコン、シューマッハー、アルボンらが、次々にピットに向かった。これで首位フェルスタッペン以下、ハミルトン、ペレス、ルクレール、ラッセル、ベッテル、ストロール、ガスリー、アロンソ、ノリスというトップ10の順位に。角田も11番手まで順位を上げた。
22周目にレース再開。直後に角田がノリスをかわして、ポイント圏内の10番手に。23周目には、ターン11立ち上がりの攻防で、ストロールがわずかにラインをインに寄せ、アロンソと接触。アロンソのマシンは宙を飛びかけたが、何とか立て直して緊急ピットイン。ストロールはその場でリタイアを喫し、再びSC導入となった。これでガスリー、角田が7、8番手につけた。
26周目にレース再開。7番手ガスリーのペースが伸びず、角田、ノリス、シューマッハーが背後でトレイン状態になる。角田は盛んに「僕の方がペースがいい」とアピールするが、チームはポジションキープを指示し続ける。30周目、ルクレールが裏ストレートでペレスをかわし、3番手に上がった。
SC中に前のマシンとの距離を10車身以上空けたとして、ガスリーに5秒ペナルティが下された。それでも順位交替の指示は出ない。32周目、ガスリーが2度目のピットに向かい、ペナルティも消化して最下位17番手でコース復帰した。これで7番手に上がった角田だったが、33周目にピットイン。15番手に後退した。34周目には角田の背後にいたノリスもピットに。オーバーカットされることはかろうじて免れた。
35周目、首位フェルスタッペン、ルクレールがピットイン。ところがフェルスタッペンはタイヤ交換に手間取り、11秒1もかかってしまう。これでハミルトン、ルクレールにかわされ、実質3番手に後退した。それでもフェルスタッペンは最速タイムを叩き出してルクレールを猛追。39周目の裏ストレートで抜き去って行った。
40周目、2番手のベッテルがピットイン。しかし左前タイヤの交換に16秒8かかり、13番手と大きく後退した。これでハミルトンが待望のトップに立った。フェルスタッペンが2秒7差で追う。ミディアムのフェルスタッペンの方が明らかにペースが速く、ジリジリと差を縮めて行く。
49周目には、DRS圏内の1秒以内に迫った。そして50周目、裏ストレートからのターン12のフルブレーキングでインを刺し、抜き去って行った。その後はトラックリミット違反が3回に達したものの、最後はハミルトンを5秒023引き離し、今季13勝目を獲得。ミハエル・シューマッハーの年間最多勝利記録に並んだ。そしてレッドブルは2013年以来となる、9年ぶり5回目のコンストラクターズタイトルを勝ち獲った。
2位ハミルトン、3位ルクレール、4位ペレス、5位ラッセル、6位ノリス、7位アロンソ、8位ベッテル、9位マグヌッセン、そして角田はチェッカー2周前にアルボンを抜いて10位チェッカー。レース後にアロンソがペナルティを受けて降格されたことで、9位に繰り上がり、スペインGP以来となる入賞を果たした。
(取材・文 柴田久仁夫)
1位 | マックス・フェルスタッペン | 362 |
2位 | ランド・ノリス | 315 |
3位 | シャルル・ルクレール | 291 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 251 |
5位 | カルロス・サインツ | 240 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 189 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 177 |
8位 | セルジオ・ペレス | 150 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 31 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 566 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 537 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 512 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 366 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 46 |
7位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 36 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 14 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |
第23戦 | カタールGP | 12/1 |