ジャンカルロ・フィジケラとザウバー・ペトロナスの契約がついに発表されたことで、ふたりのドイツ人F1ドライバーにとって試練の時が訪れるかもしれない。ハインツ−ハラルド・フレンツェンとニック・ハイドフェルドが共に、来季の働き口を探さねばならなくなりそうなのだ。
ベテランのフレンツェンは、来季どこでドライブしてもいいと語っており、F1マシンをドライブする興奮を感じるためにはテストドライバーの職も受け入れると公言している。しかしハイドフェルドの方は、ザウバーのセカンドシートを得られない場合、傍観者として不遇の一年を送る羽目になるかもしれない。
来季に向けて空席が残り少なくなっている現在、25歳のハイドフェルドは、他チームへの移籍の可能性も探りつつ、土曜に2年契約を発表したフィジケラのパートナーの座をめぐってザウバーと今も交渉中であることを明らかにしている。現在のところ、見込みのありそうな空席はジョーダンとジャガーだけだが、そのどちらにも大勢の希望者がいる。2004年には、フェリペ・マッサがザウバーをドライブするのではないかと見られている。
「僕らはまだ話し合っているところだけれど、残留する見込みは大きくなさそうだ」と、ハイドフェルドはザウバーとの交渉について、ロイター通信に語った。「2人目のドライバーはまだ決まっていないが、僕はほかのチームとも話をしているよ。どうしたらいいっていうんだい? 僕の力ではどうしようもないよ」
可能性のあるシートは少ないが、ハイドフェルドは来季もF1に関わっていたいと述べている。2005年に向けてリストに名前を載せておくためには、テストドライバーの座に甘んじることになるかもしれないと、本人も認めている。
「かなり自信はあるよ。今年はドライバーのシートにあまり変化がないから、かなり難しい状況だとは思うけどね。トップチームはみな埋まっているから、それ以外で最高のところを見つけるしかない。ほどほどのチームで、いいテストドライブの機会を得る方が賢いかもしれないよ。シーズン中に何が起こるか分からないからね」