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【無線ハイライト】混乱に巻き込まれていたリカルド、王者ハミルトンとの勝負
2016年9月1日
F1シーズンは夏休みを終えて、いよいよ後半戦。ベルギーGPではスタート直後に大声援を受けるマックス・フェルスタッペンとフェラーリの2台が接触。オープニングラップの混乱により、メルセデスに割って入ったダニエル・リカルドも“被害”を受けていた。
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「いまはフロントに苦しんでいる。コーナー出口でリヤに悪影響を与えている」
4周目、2位を走っていたダニエル・リカルドはフロントタイヤのグリップ不足を訴えた。それもそのはずで、リカルドは1周目の多重事故で右フロントのフラップを丸々失っていたのだ。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「フラップ全体がなくなっていて、ラップタイムにすれば0.5秒は失っていただろう」と証言するほど、リカルドは厳しい状況に追い込まれていた。
リカルドにとって幸いだったのは、ケビン・マグヌッセンの事故で赤旗が提示されたことだった。この間にノーズを交換して修復することができたのだ。
「フロントのフラップを失ってクルマがすごく影響を受けていた。赤旗で交換できたのは幸いだったよ」と、リカルドは振り返る。
「スーパーソフトではレッドブルと同じようなペースで走れていたよね?」
「そうだ、ソフトのレッドブルと同じだった」
3位を走るフォース・インディア陣営は、そう分析していたが、フロントウイングが修復できたリカルドの本来のペースは、もっと速かった。
18周目には後方から追い上げてきたルイス・ハミルトンがヒュルケンベルグをかわす。メルセデスからは「ナイスワークだ、ルイス。次はリカルドだ」と無線が飛ぶ。
しかし20周目、ハミルトンのソフトタイヤがタレはじめる。金曜や土曜よりは5度ほど涼しくなったとは言え、8月のスパにしては異例の暑さにブリスターの発生も見受けられた。
「リヤタイヤが、すごくスライドしはじめたよ」
ハミルトンは21周目にピットインして、ソフトタイヤに交換する。首位ニコ・ロズベルグは暑さを考慮してミディアムタイヤ中心の2ストップ作戦を採ったが、ハミルトンは後方から追い上げるためにソフト中心の3ストップ作戦を選ばなければならなかった。
「良くないポジションになってしまった? ソフトタイヤが早くタレ過ぎた?」と、ハミルトンがチームに問いかける。
「そんなことはない。前のクルマも、すぐにピットインするよ」
前走車がピットインすると、ハミルトンはリカルドとの2位争いに集中していく。しかしハミルトンは、もう1回ピットストップが必要なのに対して、2ストップのリカルドはロズベルグと同様に圧倒的優位な立場だ。
リカルドは巧みにハミルトンを抑えて前に行かせない。
「言っていたように、ここでハミルトンを苦しめてやればレース終盤で活きてくるぞ」
「左リヤが少しオーバーヒートしている。左リヤだけ注意してくれ」
30周目に、そう言われた翌周にはリカルドはタイヤの温度をうまく下げた。タイヤマネージメントも問題はなかった。
「とても良い仕事をしている。タイヤ温度を許容範囲に戻したよ」
逆にハミルトン陣営は4位ヒュルケンベルグとの差が気になっていた。
「もう先は長くない。ほぼピットウインドウはクリアだが、ヒュルケンベルグだけがギリギリだ」
32周目にピットインして、結局ヒュルケンベルグの後方でコースに戻ったハミルトンは、ミディアムタイヤという選択に疑問を呈したが、チームは自信を持っていた。
「これ(ミディアム)は良いタイヤ選択じゃないんじゃない?」
「いや、我々はこれが良いタイヤだと考えている。状況は良さそうだ」
ハミルトンは34周目にヒュルケンベルグを悠々と抜いて3位に再浮上したが、2位リカルドとは大きな差が開いており、追撃は不可能だった。
「今日のダニエルのドライブは素晴らしかった。サーキット特性にもかかわらず、ルイスからのプレッシャーにうまく対処し、タイヤマネージメントもペースも完璧だったよ」
ホーナーは褒め称えたが、リカルドは「赤旗のあとは順調に何事もなく走るだけだった。確実に走ることだけを心がけたんだ」と余裕の表情。ハミルトンとのバトルでも自信を持って冷静に対処していた。エースの余裕を見せつけたリカルドは、夏休み前のホッケンハイムに続き、スパでも再び表彰台でシューズにシャンパンを注いだ。
(米家峰起/Text:Mineoki Yoneya)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |