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【特別企画】“つまらない”と言われるF1を改善するシンプルな方法
2016年8月13日
かつてジョーダンなどのF1チームでテクニカルディレクターを務めていたゲイリー・アンダーソンが、一貫性のないF1ルールを改善して多くのファンと取り込んでいくための方法を提案する夏の特別コラム。
――――――
本当に退屈だったハンガリーGPが、F1に影を落としている一連の問題を際立たせた。その問題というのは苛立たしいほど解決するのが簡単だというのに……。
F1は40年以上にわたって私の人生の一部であり、偉大なスポーツである。しかし、この競技をより魅力的なものにするためにはライトなファンとコアなファン両方に訴えかける施策を行い、さらに規則の面でも改善を行う必要がある。
私はフリー走行、予選、決勝とハンガリーGPを全て見た。予選と決勝が始まった直後は何度かエキサイティングな瞬間があったが、基本的にはとてもつまらないレースだった。
どうやらF1は自らを救いたくないようだ。規則はめちゃくちゃだし、我々が普段生きている世界がおかしく思えるくらいにルールの管理に一貫性がないのだ。
気まぐれな適用:トラックリミット問題
まず私がはらわたが煮えくり返っていること、それはトラックリミットだ。
今のF1は、普通に行き当たりばったりの規則が横行している。気まぐれに適用され、一貫性が無さすぎ、まるで規則の体をなしていない。テレビ中継ではマシンがラインを超えてコーナリングする様子が何度もリプレイされるが、それが一体何だと言うのだろう。トラックリミットを超えてペナルティを受けるドライバーなんて、そもそも滅多にいないことなのだ。
どんな規則にも言えることだが、このトラックリミットの規則にも当然、一貫性が必要だ。レースを含めて全てのセッションで厳格に実施される必要がある。カットすることでタイムが短縮できたり、タイヤにメリットがある限り、ドライバーたちはトラックリミットを超え続けるからだ。
繰り返しになるが、テレビのコメンテーターを含め関係者全員が混乱しているのだ。こんな状況で視聴者はどうやってルールを解釈できようか。
このトラックリミット規定に関し、私からの提案は以下の通りだ。
1.トラックリミットのことは忘れ、ドライバーたちには使いたいだけコースをワイドに使わせよう。ただでさえ彼らはそうするので、少なくともルールは一貫性があるものになる。
2.トラックリミットに“ハイグリップ・ペイント”と揶揄されるグリップのあるペイントをする代わりに、滑りやすい塗料を塗ろう。ウエットのときにどうなるかをドライバーたちはすぐに学習し、カーブに近寄らなくなるだろう。
ドライバーによって解釈が異なるイエローフラッグ
次の改善エリアはイエローフラッグだ。
ハンガリーGPの予選で示されたように、ドライバーたちでさえ旗が何を意味するか分かっていないのだ。予選後のルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの解釈は同じチームだというのに全く異なっているように見えた。
もしクラッシュしたマシンの撤去がはやく終わっていなかったら、我々はまたジュール・ビアンキの死を引き起こしたような事故を再び目の当たりにしていたかもしれない。
ドライバーにルールの決定が委ねられたのなら、結局は形骸化しているトラックリミットのようにイエローフラッグのルールもまた形骸化するだろう。誰かが常に、わずかでもアドバンテージを利用しようとするからだ。
ビアンキの事故の後、私はピットレーンのスピードリミッターに似た、バーチャルセーフティカーによる速度制限システムを提案した。これにより全車が同じスピードをキープすることになり、フラッグ掲示中のドライバーのトラックポジションの問題を取り去ることだろう。
さらに重要なことに、このシステムの導入は、トラック上で事故が起きている箇所でマシンが自動的に減速することを意味している。
速度制限はいかなる段階においても適用される。しかし、当面の措置として、ピットレーンのスピードリミッターを使ってはどうだろうか。
これがいかにして作用するか。
1.マシンが1つ目のイエローフラッグを通過したとき、ドライバーがステアリング上のボタンを押す。そしてマシンはあらかじめ定められた速度までスピードを落とす。簡単なことだ。
2.マシンが1つ目のグリーンフラッグを通過したときにはドライバーがスイッチを切る。より簡単だ。こうすることで、事故が起こっている箇所を通るときのスピードが全車同じになる。それに、レース後にもめることもなくなるだろう。非難があったとしても、きちんとしたタイミングで操作が実行されたかを確認するのはとても簡単だ。
テレビ放送:情報の分かり難さ
最後の問題は、テレビからファンへの情報提供だ。
スクリーンに表示される情報は十分なものではない。たとえば、タイヤの選択がマシンのパフォーマンスにどれくらい重要かが画面に表示されることはないのだ。
チームごとに手持ちのタイヤの種類や数が異なっているため、ドライバーがどのタイヤでラップタイムを出したのか表示する必要がある。また、天候が変わりやすい予選セッションなどでもこの情報は極めて重要である。
ハンガリーに持ち込まれたタイヤはミディアム、ソフト、スーパーソフト、ウェット、それにインターミディエイトだった。そしてレースが行われた週末でこの5種類のタイヤが全て使われた。
フリー走行と予選セッションでは、タイヤの使用状況はタイムと一緒に画面左側の欄に表示されなくてはいけない。
スーパーソフトなら赤、ソフトなら黄、ウエットならブルーというように、タイムをタイヤの色で表示したり、タイムの横に色を表示してもよいだろう。
こうすることで視聴者により多くの情報と洞察を与えることになり、彼らはチームがどんな戦略をとろうとしているのかを考え、楽しみはじめるだろう。
コメンテーターはこの情報を知っているのだが、実際彼らが使うことはまずない。私は未だかつて、ドライバーがどのタイヤでどのタイムを出したのかをコメンテーターが言っているところを見たことがない。
もし私の言っていることを確かめたかったら、Skyスポーツが放送しているフリー走行3回目の解説の最初の10分を聞いてみてほしい。解説者たちにとっても内容が複雑だというのに、一般の視聴者に何が起きているか本当に分かるだろうか?
かつてアラン・ジョーンズは「視聴者は政治的なことではなくレースが見たいのだ」と述べているが、まさに正論である。
願わくば権力を持った人たちがこの記事を読み、そしてF1の成功が彼らの手に委ねられていると気づいてほしいものだ。そして、このスポーツを一般の視聴者にとって理解しやすいものにするのは不可能ではないということにも気づいていただきたい。
もし改善策がなされない場合、ファンは減り続け、スポンサーを見つけるのはより困難になるだろう。チームにとっては大惨事になりかねないのだから。
(AUTOSPORTweb)
この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています
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2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
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5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
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10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
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