2007年のF1シーズンを、順調にスタートしたパナソニック・トヨタ・レーシングは、第2戦マレーシアGPを終え、今週末に迫った第3戦バーレーンGPへと向かう。
砂漠の中に位置する舗装されたオアシス、ザヒールにおいて、チームは終わったばかりのマレーシアGPから2週連続の戦いへと臨む。
ほとんどのチームがシーズン開幕直前にバーレーンでの2週間に渡るテストを行っており、中東に戻ることで、その記憶が蘇るだろう。
パナソニック・トヨタ・レーシングにとって、これまでのバーレーンGPは甘酸入り交じった記憶と共にある。2005年には、ヤルノ・トゥルーリが2位表彰台獲得。しかし、2006年は忘れてしまいたいようなレースであった。
ヤルノ・トゥルーリとチームメイトのラルフ・シューマッハーは、2戦連続ポイント獲得で2007年シーズンのスタートを切ったチームに、更なるポイントをもたらすべく日曜日の決勝レースへと挑む。
ラルフ・シューマッハー
「バーレーンGPの開催されるザヒールは、最も新しいサーキットの一つであり、素晴らしく近代的な設備を誇る。我々はバーレーンが暑いことを知っているが、それは特別なものではなく、前戦マレーシアのような湿度の高さはない。たとえ極端なコンディションに直面することになっても、チームは非常に多くの経験を積んで来ており、技術的な面から見れば、それほど大きな違いにはならない。我々はシーズン前に行った2週間のテストにおいて、一進一退の状態であったが、最終的には進歩を成し遂げることが出来た」
「その後、我々は力強いシーズンのスタートを切ることが出来たが、しかし、明らかにトップチームを捕らえるには、やるべき仕事はある。また、状況を完全に認識するためにはまだ数レース必要だ。私はマレーシアGPで最高のレースが出来たとは言いがたいが、バーレーンでは更に改善されたパフォーマンスと共に、好結果を目指す」
ヤルノ・トゥルーリ
「我々は2007年シーズン、着実なスタートを切り、オーストラリアGPとマレーシアGPで良いパフォーマンスを見せることが出来たが、バーレーンは過去のレースで、我々には厳しいコースだと分かっている。私は2005年、バーレーンで表彰台を獲得して喜んだが、昨年は開幕戦だったこともあり、我々のパッケージや新しいタイヤからどのようにして最大限の能力を引き出すか理解出来ず、問題を抱えてのレースとなってしまった」「そして今年、ザヒールで行ったシーズン前テストでも同様に苦労を強いられた。そのため、我々はこのコースを攻略出来たとは言いがたいが、それが何故なのか明確な理由は見当らない。このサーキットは、信じられないほどの最先端設備を持っており、ドライビングの観点から見る限りは、難しいコースではない。ただ、ハードなブレーキングが要求されることと、常に風が吹いており、その風によってホコリや砂がコース上に運ばれるのが特徴だ。それを除けば、非常に綺麗で、凸凹もほとんどないスムーズなサーキットだ。我々は信頼性の高いシーズンのスタートを切ることが出来たが、これからバーレーンへと向かい、王国でのグランプリで、良い結果と共に、我々の運が好転する事を期待している」
パスカル・バセロン
「マレーシアGPでは、我々がオーストラリアGPから着実に進化を遂げていることを証明出来たが、更に上を目指さなくてはならない。バーレーンは昨年は開幕戦であり、我々にとっては、昨シーズン最悪のレースであった。なぜなら我々は昨シーズン前に温暖な気候の下でのテストを行っておらず、我々の新しいタイヤが暖まるまでの過程が、予想以上に重要だということに気付いていなかったからだ。更に、昨年のバーレーンGPでは、例年に比べて若干涼しく、路面温度は35度ほどしかなかった。今年は昨年よりも開催時期が遅いので、もっと暖かいことを予想している」
「今年シーズン前に行ったテストは、あまり上手く行ったとは言えない。それは我々の状況について、多くの警報のきっかけとなった。しかし、重要だったのは、多くの信頼性の問題を抱えていたことであった。それらは全て些細なものであり、順次解決されていったが、それらによって我々の走行時間は制限され、ペースも限られたものとなってしまった。しかし、その後に行われたヘレスでのテストで信頼性は向上し、ペースも良くなった。更に、マレーシアでのテストでは、サスペンションと新しい車体下部、そしてエンジンカバーの開発を行った」
「バーレーンGPへは同じパッケージで挑み、次戦スペインGPへは、大きな空力パッケージのアップデートを行う予定だ。我々は強力なパフォーマンスと共にヨーロッパへ戻れることを望んでいる」