ルノーのディレクターオブエンジニアリング、パット・シモンズによれば、今週のバルセロナ合同テストで、ミシュランからブリヂストンにタイヤを変更することになるが、それほど初期トラブルは起きないだろうということだ。
ミシュランのF1撤退により、今季の両タイトルを獲得したルノーを含む6チームが、ブリヂストンタイヤに変更せざるをえなくなった。そのため、この6チームは、ブリヂストンでの走行経験がないことで、不利益を被るのではないか、と言われている。しかしシモンズは、ルノーには極力スムーズに移行できるだけの能力と知識がある、と確信している。
「ブリヂストンへの変更を軽く考えすぎてはいけないと思うが、重く考えすぎないことも大切だ」とシモンズは述べた。
「私たちが前回タイヤサプライヤーを変更したのは、2000年と2001年の間だった。それ以来、私たちはタイヤについてはるかに知識豊富になっているし、はるかにすぐれた理解力を持って問題に当たれるようになっている」
「技術レベルでいえば、この移行は、F1チームが直面するエンジニアリング上のチャレンジとして、ごく普通のものにすぎない。まずエンジニアたちが、ドライバーたちと共に、マシンの基本的なバランスを快適にする作業を行う。それには、比較的短距離の走行を行うことになる。その後に、レーススティントの走行にタイヤがどう反応するか、ということに取り組む。たくさん走行距離を重ねることが重要になるだろう」
シモンズは、セットアップにおける影響をシミュレートするにあたって、必要な初期データをブリヂストンがチームに提供してくれたことに感謝している。また、ブリヂストンが、2007年のメルボルンでの開幕戦で、全チームに供給するのと同じタイヤを、来週のテストでも用意してくれることにも感謝している。
「私たちは、ブリヂストンから多くのデータを受け取っている。そのデータは、タイヤの力を最大限に引き出すためにマシンのセットアップをどう変更したらいいか、基本を理解するためのコンピュータ・シミュレーションに利用されている」とシモンズは語った。
「ブリヂストンタイヤをどうしたら最大限に利用できるかを決定するために、重量配分やマシンの空力特性といった要素を再確認しなくてはならない」
「とはいえ、いくら数字上のデータがあっても、タイヤの微妙な部分を説明しきることはできない。特にタイヤコンパウンドについてはそうだ。あるスティントでタイヤを最大限に利用する方法や、必要なドライビングスタイル、そして総合的に見たタイヤの強さや弱さを理解するためには、コース上での走行が必要だ。9日間の大部分は、こうした性質の手がかりをつかむために費やされるだろう」
「それゆえ、(メルボルンで使用するタイヤでテストできることは)大いに助けになる。タイヤ戦争のまっただ中にサプライヤーを変更する場合は、桁違いに困難な状況になっていたはずだ。決まった製品で作業できるということは、私たちがタイヤを理解する上で、大いに助けになる。私たちの目標は、ブリヂストンタイヤをすでに使用してきたチームと同じ立場で、オーストラリアに臨めるようにすることだ。それはたやすいことではないだろうが、不可能ではない」