ここ数年、裏方に徹していたアンソニー・デイビッドソンは、2007年はスーパーアグリで初のF1フル参戦を果たす。デイビッドソンは、これまで所属していたホンダに対し、そして誰よりも元チームメイトであったジェンソン・バトンに対し、サプライズを与えたいと思っている。
これまで5シーズンに渡ってホンダでテストドライバーを務め、評価を高めたデイビッドソンは、F1でもっとも新しいチームであるスーパーアグリで、佐藤琢磨と共にレーシングドライバーを務めることになり、来季は週末を通して実力を見せつけるチャンスを得ることになった。
開幕戦のグリッドにマシンを並べるために慌しい準備を強いられたスーパーアグリにとって、デビューイヤーは苦しい戦いの連続であった。だがデイビッドソンは初のフル参戦を果たすルーキーイヤーでコンペティティブな走りができると自信を持っている。彼はカート時代にバトンとレースで共に走っており、その1997年以来久々にバトンを相手に戦うという大きな野望を自身に課している。
「僕がジェンソンと最後にレースをしたのは1997年のことだ。それまでは8歳からずっとゴーカートで一緒に走ってきて共に成長してきた間柄なんだ」
「僕は自分のキャリアの中でずっと彼と戦ってきた。でも来シーズン、彼と久しぶりに走るなんて、しかもこれまで世話になっていたチームと敵対して走るなんて、妙な気分だね。でもエキサイティングな経験になると思うよ」
「僕はこれまでかなりの距離を走ってきてるんだ。そしてやっと自分の夢をかなえることができた。これまではきちんとしたチャンスは与えられなかった。それだけで僕の能力を判断されるのはどうかと思うな」
また、マクラーレンでは、フェルナンド・アロンソのチームメイトとして、ルイス・ハミルトンがステアリングを握ることが明らかとなった。それによって、2007年のF1のグリッドには、デイッビソン、バトン、デイビッド・クルサード、そしてハミルトンと4人のイギリス人ドライバーが登場することとなった。デイビッドソンはこのことをイギリスのモータースポーツにとって素晴らしいことだと語る。
「これまでより多くのイギリス人ドライバーが集まることになったのは素晴らしいことだ。サーキットに新顔のイギリス人ドライバーが現れたのは久しぶりのことだからね。イギリスという国全体にとってもすごくいいことだと思うよ」