ダン・ウェルドンは、来季F1入りをウワサされながらも、結局はIRLチームのターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングと契約を結んだ。そのウェルドンが胸の内を明かし、提示されたF1契約の条件には、2006年にIRLにフル参戦するのを諦め、シリーズタイトルやインディアナポリス500優勝の栄冠を防衛するチャンスを棒に振るほどの価値を見出せなかった、と述べた。
ウェルドンが、パリで開催された“レース・オブ・チャンピオンズ”で英クラッシュネットに対して語ったところによれば、F1マシンをテストすることは良いことかもしれないが、レースで勝ちたいという野望を考えると、F1に行くことによって普Eう犠牲は大きすぎると思ったという。
「あるF1チームからオファーをいただけたことは、とても嬉しかった。ただ、それは僕が望むようなものではなく、自分のキャリアを前進させるのに必要だと思えるものでもなかった」と英国出身、27歳のウェルドンは語った。「1年間のテスト契約で、その後レースシートを確保できる可能性もあるというものだった。でも、僕はレースがすごく好きだから、それ以上のものが必要だったんだ」
こういった決断を下したウェルドンだが、アメリカにおいてもイギリスにおいても、評価を落とすことはなく、アメリカン・オート・ライターズ&ブロードキャスターズ・アソシエーションのドライバーズ・オブ・ザ・イヤーに選出され、その後、英オートスポーツ誌のブリティッシュ・コンペティション・ドライバー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれている。
ウェルドンはさらに言葉を続けた。
「F1マシンのテストを馬鹿にするつもりは全くない。やるとなったら、思いっきり楽しんでやっていたはずだよ」
「だけど、今参戦中のIRLシリーズにはすごく満足しているし、自分が諦めなきゃならないものを考えたら、(F1テストには)たぶんそれほどの価値はないと思ったんだ」