ミシュランのモータースポーツディレクター、ピエール・デュパスキエは、ヨーロッパGPの最終ラップで優勝目前のキミ・ライコネンのマシンのサスペンションが大破したことについて、タイヤの自然磨耗によるものではなく、あるアクシデントの結果によるものだと主張した。
スタート直後、トップに立ったライコネンは、1回目のピットストップ後、アロンソにリードを奪われるが、アロンソがピット中に、首位を奪還する。しかしその直後、ライコネンはコースオフし、後続のニック・ハイドフェルドにパスされる。その後、ライコネンはジャック・ビルヌーブを周回遅れにしようとするが思うようにいかず、ライコネンのマシンはタイヤロックを起こす。これが、誰も予想だにしなかった結末を迎える要因となった。
ハードなブレーキングのせいでマシンが跳ね上がったため、ライコネンのマシンの右フロントタイヤには大きなフラットスポットができてしまった。しかし、後にデュパスキエが説明したように、この問題が原因で状況が悪化していったのだ。結局、ライコネンのマシンはバイブレーションがひどくなり、サスペンションが耐えられず、最終ラップの1コーナーへの進入時に大破した。
「タフな週末だった」とデュパスキエ。
「今回もミシュランF1が成功を収める結果となったが、1、2点、問題があった」
「キミ・ライコネンには同情している。彼は右フロントタイヤにフラットスポットができて、ものすごいバイブレーションが生じるようになり、レース終盤は思ったようなレースができなくなった。43周目に予定の2回目のピットストップを行ったとき、右フロントタイヤのフラットスポットをはっきり目で確認できた。しかし、問題は、フラットスポットができたことによって、ブレーキロックが繰り返し起こるようになったことだ。レース中、彼のマシンは頻繁にブレーキロックを起こしていた。ニュルブルクリンクはブレ−キングをしながらターンインするコーナーが1つ、2つあるため、ブレーキロックが起こりやすい条件があるのかもしれないけれどね」
ライコネンのリタイアを別とすれば、ミシュランタイヤがニュルブルクリンクの高温の路面にもしっかり対応することができ、デュパスキエは満足していたようだ。
デュパスキエは、トップ8に6台のミシュランユーザーが入ったことを振り返って次のように語った。
「週末のレースは、私たちのパートナーチームが支配していた。これまでの全てのレースにおいてもそうだ。レース全体を考えてみても、私たちのタイヤは普段通り、スピードと耐久性を共に発揮した」