F1グランプリ2005年シーズンの開幕戦、オーストラリアGPは57周で決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートしたルノーのジャンカルロ・フィジケラがレースの大半を支配し通算2勝目を飾った。2位はフェラーリのルーベンス・バリチェロ、3位にはフェルナンド・アロンソが入った。佐藤琢磨は14位で開幕戦を終えている。
58周が予定された決勝レースは、現地時間午後2時にスタート。天候晴れ、気温19度、路面温度25度、湿度58%、微風というコンディション。全車グリッドからのスタートでフォーメイションラップ開始が開始された。
スタートではマクラーレンのキミ・ライコネンがエンジンストール! 規定によりライコネンを残し、そのままもう1回フォーメイションラップに入る。ライコネンはピットに入ってエンジンを始動、ピット出口からのスタートとなった。
仕切り直しの2回目スタートではフィジケラ、フロントロウに並んだトヨタのヤルノ・トゥルーリがポジションをキープ。レッドブルのデイビッド・クルサードが1コーナーでマーク・ウエーバーを抜いて3番手にジャンプしてきた。オープニングラップでは首位フィジケラはトゥルーリを1.4秒リード。クルサード、ウエーバー、ニック・ハイドフェルド、クリスチャン・クリエン、ファン-パブロ・モントーヤ、バリチェロがトップ8。ジャック・ビルヌーブとジェンソン・バトンが大きくポジションを落としてしまった。佐藤琢磨は14番手で、ミハエル・シューマッハーが続き、後ろにライコネンが続く。
序盤、首位のフィジケラと2番手トゥルーリが最速ラップを塗り替えながら後続を引き離し始める。3番手のクルサードはトップ2台についていけず、ウエーバー以下ハイドフェルド、クリエン、モントーヤらが抑えられる形となった。
8周目、前を走るビルヌーブと激しいバトルを繰り広げていたアロンソがコースオフし、空力パーツを飛ばす。しかしペースに影響はなく、ビルヌーブにプレッシャーをかける。
レースが13周目を過ぎると、早くも周回遅れが出始める。3番手を走っていたデイビッド・クルサードは周回遅れのミナルディと接触。その影響か、ミナルディのパトリック・フリーザッハーがピットイン。ミナルディ勢は18周目、クリスチャン・アルバースもピットでリタイアを喫している。同じ周、早くも2番手トゥルーリ、ハイドフェルドらがピットイン。燃料を補給している。
これを皮切りに各車がピットインを始めるが、25周目にピットに向かうまで最速タイムを連発し続けたのがアロンソ。中団グリッドからのスタートだったが、ピットアウト後には一気に6番手まで進出してきた。27周目にはフィジケラ、クルサード、ウエーバー、バリチェロ、モントーヤ、トゥルーリ、アロンソ、クリエンというトップ8に。
その後、2番手クルサードにウエーバーが迫るほかはあまり順位に変動がみられなくなり、淡々としたレースとなった。36周目には1回目で最も早くピット作業を行ったトゥルーリが2回目のピットインをすると、そこからまたレースが動き始める。
41周目にピットインした昨年王者のミハエル・シューマッハーはピット作業をすますと、翌周なんとハイドフェルドと接触、グラベルへ! ミハエル・シューマッハーはなんとかマーシャルに押されて脱出するが、そのままガレージに入ってしまい、リタイアとなったのだ。
快走を続けたフィジケラは最後のピットもこなすと、45周にアロンソがピットインしたタイミングで再び首位に浮上。そのアロンソはショートストップを敢行するが、1コーナーでジワジワと順位を上げてきたバリチェロに前へ出られてしまった。
フィジケラはその後もトップをキープし、3番手アロンソはバリチェロを抜くにいたらずそのままチェッカー! フィジケラは2003年ブラジル以来の通算2勝目を挙げた。完走は17台だった。
期待されたBARホンダ勢はバトン11位、佐藤琢磨14位でフィニッシュしたが、最終ラップにピットイン。おそらく故意にチェッカーを受けずリタイア扱いにされるため(2戦目も新エンジンで臨める)と思われる。