F1世界選手権開幕戦オーストラリアGPの公式練習3回目と4回目に続き、公式予選第1回目が行われた。
土曜日のメルボルンは朝から雨模様。午前9時から行われた公式練習3回目は、気温13度、路面温度10度、湿度87%と肌寒さの中で始り、小雨を突いて各チームとも初期チェックに集中。その後、30分のインターバルをおいて、午前10時15分に開始された公式練習4回目には、雨も止み、周回を重ねるごとに、路面にはドライな走行ラインも生まれはじめ、各車タイムアタック態勢へ。天候は回復かと思われたが、午後1時の予選第1回目開始までの間にも時折り、小雨が降り出すという変わりやすい天候。雨は上がったものの、強風が吹きすさむ中での予選第1回目となった。
昨年の最終戦、ブラジルGPの決勝結果の逆順でタイムアタックを開始。9番目のアタックとなったヤルノ・トゥルーリは、1分35秒270で2番手のタイムをマーク。その後、13番目以降のタイムアタックは、再び雨が降り始め、予選第1回目開始40分過ぎには、他車のクラッシュにより赤旗中断。5分程、予選が中断された後、16番目にコースインしたラルフ・シューマッハーは、水しぶきを巻き上げながらのタイムアタックを強いられ1分51秒495の17番手となった。明日は、午前10時から今日の予選第1回目のタイムの逆順に予選第2回目のタイムアタックが行われる。予選第1回目と予選第2回目との合計タイムによってスターティンググリッドが決定され、午後2時に開幕戦の決勝レースがスタートする。
ヤルノ・トゥルーリ:
「波乱の予選ではあったが、新しいシーズン、新しいチームでのスタートとして、2番手タイムをマークしたことは予想外の出来だった。コースコンディションに恵まれたが、同様のコンディションでアタックした他のドライバーと比較しても、速いラップタイムであったことも確かだ。我々は午前中の公式練習で、異なったテストの作業を行ってきたが、TF105はより強力になり、パフォーマンスも確実なものとなってきている。2回の予選タイムを合計するという新しい競技規則において、今日我々は非常に大きなアドバンテージを得ることになった。これが明日の決勝レースでポイント獲得に繋がることを期待している。しかし、明日朝の予選第2回目も、今日の予選同様、何が起こるかわからない」
ラルフ・シューマッハー:
「今日の予選はドライバーの誰にとってもギャンブルとなってしまい、やや難しいものとなった。何人かのドライバーは幸運を得たが、私は不運に見舞われたうちの1人になってしまった。コース路面は非常に濡れており、何度もアクアプレーニング現象に見舞われた。新しい予選システムにおいては、あまりに大きなラップタイム差がついてしまっており、明日はジャンカルロ・フィジケラとヤルノ・トゥルーリがフロントローを得ることになるだろう。私自身は忘れたい一日となったが、チームにとっては、ヤルノ・トゥルーリが明日の予選第2回目を前にして、非常に良いポジションに付けており、良い一日といえる」
マイク・ガスコイン:シャシー部門テクニカルディレクター
「我々にとっては幸運と不運が混在し、非常にいろいろなことが起こった予選であった。ヤルノ・トゥルーリは、コースコンディションがベストに近い状態で走行することが出来たが、彼のアタックラップは、同条件で走行した他のドライバーと比較しても明確なタイム差があり、2番手というポジションにふさわしいものだと思っている。このタイム差は、明日朝の最終予選へ向けて、大きな利点となるだろう。残念ながら、ラルフ・シューマッハーは後半に降り始めた雨によって、一番悪いコンディションでの難しい予選アタックとなってしまった。明日はどのようなコンディションになるか見極める必要があるが、フロントローにTF105を並べるためにも、良いポジションに付けたヤルノ・トゥルーリの活躍を無駄にはしない」
高橋敬三:技術コーディネーション担当ディレクター
「コンディションに恵まれたとはいえ、開幕戦の予選第1回目で、ヤルノ・トゥルーリが2番手に付けたことは、とても嬉しい。ただ、今年からの新しい競技規則で、明日の予選第2回目との合計タイムでスターティンググリッドが決まるので、何としてでも、現在のポジションをキープしたい」