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レッドブル・ホンダ密着:決勝の懸念材料は拭えず、予選で発生したフェルスタッペンのパワーロス問題/F1ベルギーGP

2019年9月1日

 F1第13戦ベルギーGPの予選後に行われた定例の囲み会見を一通り終えた田辺豊治F1テクニカルディレクターは、「本日のF2決勝レースで大事故が起きたことについて、少し触れさせてください」と語った後、次のように続けた。


「亡くなられたアントワーヌ・ユベール選手のご冥福をお祈りするとともに、ご家族、ご友人の皆様に心からお悔やみ申し上げます。また、同じ事故の中で負傷されたファン・マヌエル・コレア選手の、少しでも早い回復をお祈りいたします」


 F1のベルギーGPの予選後に行われた、F1のサポートレースとして開催されていたFIA-F2のレース1で、2周目のオー・ルージュを駆け上がったラディオンで悲惨な多重事故が発生していた。多くの人々の祈りも虚しく、18時35分にユベールは帰らぬ人となり、ホンダの会見はその直後に行われたため、田辺TDはホンダを代表して、哀悼の意を表したのだった。


 ホンダの会見の前には、レッドブルがドライバーふたりの囲み会見を行っていた。通常であれば、そのコメントを元にチームの広報がリリースを作るのだが、この日、レッドブルは予選に関するドライバーのコメントは掲載せず、やはりクリスチャン・ホーナー代表のユベールの冥福を祈るコメントのみを掲載した。

2019年F1第13戦ベルギーGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2019年F1第13戦ベルギーGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)


 そのため、なぜマックス・フェルスタッペンがQ1の1回目のアタックを途中でやめてピットインしたのかがわからないために、フェルスタッペンと田辺TDのコメントを元に解説していきたい。


 フェルスタッペンによれば、「本来、使えるはずの通常のパワーを使えず、コンマ数秒失ってしまった」という。いったい、何が起きたのか。

■予選ではウイリアムズ(メルセデスPU)、アルファロメオ(フェラーリPU)にも問題発生

「Q1の1回目のアタックでエンジンのパワーがロスするという問題が発生しました。そのため、すぐにピットインして、(パワーユニットに関する)セッティングを変えました。そのあとは基本的に問題なく、予選を行うことができました」


 ベルギーGPではフリー走行1回目でも、パワーがロスするという問題が発生していた。今回、予選で起きた問題もそれと同じような症状だったのか。フェルスタッペンは「基本的に同じ」と語ったが、金曜日の問題は主にブレーキング時に起きていたのに対して、予選では「パーシャルのところでパワーが落ちました」と田辺TDは説明した。


 そこで1回目のアタックを途中でやめてピットインし、セッティングを変更して、再びアタックに出た。


「セッティングを変えたからといって、予選モードが使えなかったということではありません。非常に複雑な話なので、説明するのが難しいですが、部分的に違うモードを使いつつ、元のモードに戻して、予選を戦ったという感じです」(田辺TD)


 心配なのは、この問題が金曜日にも起きていて、金曜日の夜に解析して土曜日の予選に臨んだにも関わらず、再び起きたことだ。


「ロングランなら問題が出ないとは現段階では言い切れません」


 予選ではウイリアムズに搭載されたメルセデスPUとアルファロメオに搭載されたフェラーリPUがエンジンブローした。日曜日のレースでフェルスタッペンのパワーユニットにこれ以上、大きな問題が起きないことを願う。



(Masahiro Owari)




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