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【今宮純のキャッチポイント】F1開催2年目のバクー。ハミルトンは2016年の悪夢を払拭できるか
2017年6月20日
得意のカナダGPで復活、1年前の悪夢の払拭に挑むハミルトン
地殻変動が起きつつあるミドルリーグの戦いにも注目
景観も歴史もレイアウトも異なるが、公道ベースなのはモントリオールと同じ2年目のバクー。昨年のヨーロッパGPから名称を改めた第8戦アゼルバイジャンGP、スパ・フランコルシャンに次ぐ2番目に長い6.003kmコースには3つの特徴がある。
初めは直角ターンが連続、次は旧市街の路地を巡るような狭い道、最後は全開でいくロングストレート。F1にこんなミックス・レイアウトは今までなかった。新設バクーの狙いは、『世界最速・市街地コース』。昨年、予選でバルテリ・ボッタスが366.1km/hをマーク(コントロールライン)、モンツァを抜く最高速が出た。
初挑戦バクー最初のクラッシュはFP1でダニエル・リカルド、次はFP3でセルジオ・ペレス、そしてQ3でなんとルイス・ハミルトン。セクター2にあるターン15とターン11だった。見るからに狭く、ブラインド気味のうねった路面を攻める彼らの前に立ち塞がった。
初日フリー走行からすべてトップ、絶好調に見えていたハミルトンがQ1になると、突然バランスを崩した。あちこちでブレーキングが乱れ、ターン11でクラッシュ、Q3最下位の10位。いったんリズムが狂うと、取り戻すのが難しいバクー。
それを見てとったニコ・ロズベルグがQ1逆転トップ、さらにQ2でベスト1分42秒520を記録。Q3は1分42秒758に留まり、それがポールポジションタイム。攻め過ぎたハミルトンと守り抜いたロズベルグ、2016年シーズンを象徴するような予選が見られた。
ポールポジションを奪い獲った彼は、自身2度目で最後のハットトリックを達成、完全勝利を収めた。
7戦を終え、いよいよ中盤戦へ。ここで順位関係をおさらいしておこう。
昨年、コンストラクターズ・ランキング 1位メルセデス 223点 → 現在222点、2位フェラーリ147点 → 現在214点。メルセデスは昨年とほぼ同点、フェラーリは+67点の大幅アップだ。
3位レッドブルは昨年130点 → 現在112点、ここまで5回のリタイアが響いている。
順位変動が大きいのは中間チーム争い。昨年は4位ウイリアムズ81点が、5位フォース・インディア42点、6位トロロッソ32点と、大きくリードしていた。
それが今年は入れ替わり、4位フォース・インディア71点(+29点)、5位トロロッソ29点(−3点)、6位ウイリアムズ22点(−59点)。まさに地殻変動が起きつつあるミドルリーグ、沈みこんだウイリアムズは7位ルノーにも迫られている。
ここから中盤攻防戦でキーパーソンとなるのは、フォース・インディアはエステバン・オコン、トロロッソはダニール・クビアト、ウイリアムズはランス・ストロール、ルノーはジョリオン・パーマー。彼らの得点力次第によって、さらなる乱高下現象に拍車がかかる。2年目バクー、彼らのなかでチームに貢献できるのは誰か?
■今宮純が厳選するF1第8戦アゼルバイジャンGP 6つの見どころ
■キャッチポイント1
得意のカナダGPで蘇ったハミルトン、1年前の悪夢を払拭して、現在12点差の首位セバスチャン・ベッテルを追うのがテーマ。マシンセッティングを改め、パワーユニット・チューニングで予選モード強化が目立ったモントリオール。反撃の巨人メルセデス、キーセクターは1と2だ。
■キャッチポイント2
ピレリはミディアム、ソフト、スーパーソフトを供給。メルセデスとフェラーリが同じセット数の1、4、8を選択、3強で唯一、レッドブルが2、3、8とミディアムを増やしている。昨年、ソフト側のタイヤに苦しんだだけにこの選択、周回を重ねる目的もあるのだろう。ローダウンフォースで臨まざるを得ない彼ら、緻密なセットアップでコーナーのタイムを高めたい。
■キャッチポイント3
週末の長期予報は晴天続き、気温は昨年並みの30℃前後。陽ざしによっては路面温度が50℃近くなる。1ストップ作戦がメインだが、コンディション変化によってプラン・バリエーションもありだ。
■キャッチポイント4
セクター3のロングストレートはターン16から実質2km以上と最も長い。昨年セクター3ベストタイムはロズベルグ24秒420、今年はトップスピードがダウンするのでどうか。セクター1と2は速まるとしても、ラップタイムペースは小幅アップ程度か。
■キャッチポイント5
初コース、初セッションで、いきなり4位に割って入ったフェルナンド・アロンソ。『腕比べ』のFP1はハミルトン、ロズベルグ、ボッタス、アロンソ、ベッテルの順、ドライバー力を見せつけた。しかし、予選は14位がやっと、ボッタス366.1km/hに対して最高速339.5km/h。26.6km/hの大差……。今年はパワーユニット・コンポーネンツ交換ペナルティ必至、後方から何を見せてくれるのだろう。
■キャッチポイント6
昨年は、自己最高予選2位タイムを叩き出したペレス、ギヤボックス交換ペナルティにより7位グリッドから表彰台3位へ。『ドライバー・オブ・ザ・デイ』を獲得した。カナダGPでオコンとのチームメイトバトルが話題になった彼が、ここで奮起か。一件落着(?)の新人オコンの意地も見どころだ。
(Jun Imamiya)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
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1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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