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技術解説:開幕戦で明らかになった2016年型マシンの秘密に迫る
2016年3月22日
シーズンが始まると、F1チームはテスト中の「ついたて」でガードされたガレージから出ることを余儀なくされる。オーストラリアGPで初めて「裸」にされた今季の新車について、英国オートスポーツの記者、クレイグ・スカボローがレポートする。
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通常F1シーズンの初戦では、テスト中には隠されていた新しい空力パーツがわれわれの目に触れることになる。だが、今年は開幕戦の金曜のプラクティスがウェット路面になり、クラッシュによって貴重なプロトタイプ部品が失われることを恐れたのか、どのチームもあまり新開発部品を投入してこなかった。
それでも、レースの週末になればチームはオープンなガレージで作業を行うため、これまで隠されてきた2016年型マシンの秘密の多くを垣間見ることができた。
メルセデス
(c)autosport.com
ガレージの中でボディワークを外されたW07のシャシーは、昨年の選手権を制圧したW06とあまり変わっていない。パワーユニット、ラジエター、ギアボックスのレイアウトも、ほぼ昨年と同じに見えた。
だが、フロントサスペンションのロッカーとヒーブユニットはいずれも新設計で、ロッカーがシャシーの側面ではなく上に向けて突き出し、イナーターと油圧スプリングからなるヒーブユニットは左右のロッカーの間に置かれている。
昨年とは異なり、メカニカルなヒーブスプリングは存在しない。基本的にクルマの重量はトーションバースプリングで支え、スプリッターを地面に引き摺らないようにするために必要なヒーブ剛性の変更は、油圧リンクを介して右側サイドポッド内の筒型のユニットで行うようになっている。
2015年の最終戦でテストされたこの形式のヒーブユニットは、まだ多くの部分が謎に包まれている。ボディワークを外したときにユニットを隠すため、写真にも見られるように、彼らはベース部分をモノコック上面の形に合わせて整形した専用のツールトレイを用意してきた。
フェラーリ
(c)autosport.com
フェラーリSF16-Hは、テストのときとほとんど変わらない形でオーストラリアへ持ち込まれたが、メルボルンのガレージではシャシーのメカニカルな構成を間近に見ることができた。今年のフェラーリは、他のチームと同様のプッシュロッド式フロントサスペンションを採用しており、モノコックのフットボックスの上にヒーブユニットが配置されている。
メルセデスと同じように、フェラーリのヒーブユニットもイナーターと油圧スプリングを使っている。ただし、フェラーリのユニットは車重を支える大きなコイルスプリングも併用しているのが特徴だ。
(c)autosport.com
エンジンカバーが外された状態で見ると、車体後部のインタークーラーのレイアウトがよくわかる。ターボはギアボックスケーシングの中に収まっており、その真上にある背の高いインタークーラーはアルミニウム製のサイドタンクにリブがあるのが特徴的だ。吸気はここからダクトを通って燃料タンク後部にある水冷式インタークーラーへ送られる。
空力面ではリアブレーキダクトが新しくなり、フロントウイングのフラップにはメルセデスにも見られるような「ノコギリの歯」が追加された。
レッドブル
(c)autosport.com
テストの時点でのボディワークには、新しいフロントウイングフラップと翼端板など、いくつかのアップデートが投入されていたが、ボディを外したRB12のシャシーは2015年のクルマとほぼ同じと言ってもよさそうだ。
ルノーのパワーユニットは相変わらず2つの大きなインタークーラーを必要とし、ERSを左右のサイドポッドに分けて搭載するというレッドブル独自の考え方も従来どおりだ。他のチームでは制御用のエレクトロニクスをひとつにまとめて、燃料タンクの下に収めたバッテリーの上に置いている。
フロントのヒーブユニットのパッケージはメルセデスと似ている。ただし、レッドブルは昨年と同様、斜めにマウントされたロールダンパーを併用する。彼らはロールダンパーが外部から見えるレイアウトを採用している数少ないチームのひとつだ。
ウイリアムズ
(c)autosport.com
ショートノーズの導入とフロントウイングのアップデートを控えているウイリアムズでは、いまのところ新しいアイデアの大部分がリアまわりに集中している。写真に収めたのは、カーボンファイバー製が主流になりつつあるなかで、やや遅れている感もあるアルミニウム製のギアボックスケーシングだ。
ウイリアムズFW38はホイールベースが長いため、ギアボックスもメルセデスのものよりやや長い。また、フェラーリなどとは異なり、ケーシングの底とフロアの間にほとんど隙間がないが、これはディフューザーの空力効率という点では望ましくないはずだ。
ウイリアムズは、今年の新車のなかでは唯一モノコックの上面が前端まで塗装されている。これに対して他のチームは、モノコック前端を下げ、その部分を別体のボディパネルで覆ってきた。フロントバルクヘッド部分にSダクトを設けるには(実際にはまだ搭載していないクルマもあるが)、そのような構造にしておいたほうが都合が良いからだ。
彼らはダクトの内側に垂直なベーンを設けた新しいフロントブレーキダクトも持ち込んだ。これは昨年メルセデスが使っていたもののコピーと言ってもいい。
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※シンガポールGP終了時点
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
※シンガポールGP終了時点
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
2024年F1カレンダー
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