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【レースの焦点】急成長する次世代エースドライバー
2014年4月21日
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上海でも、優勝したルイス・ハミルトンと3位フェルナンド・アロンソの差は25.7秒。レース展開にかかわりなく“速い方のメルセデス”が他車に対して必ず築く25秒の差は、もはや偶然とは思えない。100kgの燃料を使って自分たちのパフォーマンスを測るのではなく、彼らは、誰が“Best of the rest”のポジションに来ても25秒リードすることを基準に、エネルギーマネージメントのデータを蓄積し、他メーカーの効率を計算しているのではないかと勘繰ってしまう。
ただし、メルセデス・ワークスの圧倒的な効率を別にして――パワーユニットの力をマシンと統合して考えると、オーストラリアではレッドブルのダニエル・リカルドが事実上の2位、マレーシアではセバスチャン・ベッテルが3位、上海ではフェラーリのフェルナンド・アロンソが3位でゴールした。メルセデス勢強しといえど、パワーユニットによる“車体への貢献度”も大切で、サーキット次第ではルノーやフェラーリの“トレードオフ”が、対フォース・インディアやウイリアムズにおいては有効であることが分かる。5月のヨーロッパ2戦はバルセロナとモナコ。どちらもストレートの短いダウンフォースサーキットで、メルセデス・ワークスがそこでも25秒の壁を築けるかどうかが、もっとも興味深い点だ。
中国GPに関して、メルセデス以外の最速、Best of the restに注目すると、アロンソのシーズン初表彰台、チャンピオン・ベッテルを圧倒したリカルドの速さが楽しい要素だった。まず印象的だったのは雨の予選で、開幕3戦ではダウンフォース重視だったベッテルが、今回はリカルドよりもわずかにダウンフォースを削ってきたように見えた――セクター通過速度も最高速も、ベッテルの方が速いのだ。そしてマレーシアGPとは逆のパターンで、今回はリカルドがウエット路面の予選を制して2位のグリッドを獲得した。
しかし予選Q3の最後、リカルドがベッテルを0.5秒上回るタイムを記録したのは、ダウンフォース云々よりも、インターミディエイトの2連続アタックラップに成功したからだ。ウエットで速度が落ちるとはいえ、1周あたりのエネルギー回収は最大2メガジュール(MJ)、放出は4MJというパワーユニットの使用規制の下、2連続で速いタイムを記録するのは難しい。トップ10のなかでトライできたのはルノー勢とニコ・ヒュルケンベルグで、2周目にベストタイムを記録したのはリカルドひとりだった。彼の勝因は、2連続の1周目から速いタイムで走行し、ウォームアップの難しいインターミディエイトの温度を維持し、ベストを2周目に合わせてきたところにある。
「午前中とは微妙に雨量が違っていて、コース上のアスファルトが変化するところなどは特に、ベストラインを見つけるのに苦労した」と、2位のタイムを記録したリカルドは説明した。「少し水の量が違うだけで、場所によってグリップがすごく変わったから」
Q1、Q2と、トライ&小さなエラーを繰り返した末、最後に見出したベストライン、そしてタイヤの使い方だった。
「いつか、アイルトン・セナのようにウエットで速くなりたい」と言ったのは、12年のサンパウロ――セナはもちろん憧れの存在で、インテルラゴスのパドックが古びているだけでも「セナもこの、同じパドックにいたんだよね!?」と感動していた。非力なHRTで走った頃から、ウエット走行を研究するのが大好きだった。
グリップを感じ取り、タイヤと路面の関係を分析し、ロングランの性能を予測する。HRT/トロロッソの2年半で鍛えた能力は、今シーズン、ドライ路面のレースでも大きなアドバンテージとなっている。コースを見る際、マシンの“ポジショニング”を彼はとても大切にする。レースを組み立てるときには“攻撃と防御の黄金比”を研究し続けた。
「アタックし過ぎて、タイヤを駄目にしてしまった。そもそも、スタート直後にあのラインを選んだのが、僕の最初のミスだ」というふうに、幾度か失敗し、自己批判することによってレースクラフトに磨きをかけてきた。
正確なドライビングで、ひとつひとつ着実に学んでいくドライバーだ。トラブル続きだったこの冬のテストを経ても、データの豊富なトップチームで走ることによって、学習熱心は加速したに違いない。レッドブルが彼を選択したのは、失敗から目を逸らさない精神力の強さと、生まれ持った速さに賭けたからだ。
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
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1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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