パナソニック・トヨタ・レーシングは、北米での２連戦を終え、フランス中央部のマニクール・サーキットで開催されるフランスＧＰを戦うためにヨーロッパへと戻った。前戦アメリカＧＰではヤルノ・トゥルーリが今シーズン最高位となる６位フィニッシュを果たしており、チームは自信に溢れてフランスＧＰへと挑む。

　北米の遠征戦の後、ラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリは先週イギリスのシルバーストーン・サーキットで“TF107”のテストをこなし、両ドライバー各々ベストタイムをマークするなど、順調に、トラブル無く３日間のテストを終了した。
　１９９１年からフランスＧＰが開催されているマニクール・サーキットは、空力面では標準的なセットアップに戻ることとなる。チームはいくつかの進化型空力パーツを用意しており、その真価に期待している。
　昨年のフランスＧＰでは、両ドライバー共に好パフォーマンスを発揮、ラルフ・シューマッハーが４位でフィニッシュ。ヤルノ・トゥルーリもブレーキトラブルに見舞われるまでは、表彰台圏内での好走を見せた。
　昨年の好走は、今年のフランスＧＰに挑むパナソニック・トヨタ・レーシングにとって勇気づけられるものであり、シーズンの折り返しが近づく中で、チームは更なるポイント獲得へ向け全力で挑む。

ラルフ・シューマッハー
「マニクールでは好結果を残している。私にとって初めてのポールポジション獲得という喜ばしい記憶は、２００１年のマニクールであった。そして、２００３年には勝利も挙げている。前戦アメリカＧＰは、スタート直後の第１コーナーでリタイアを余儀なくされてしまい、特に予選でとても良いパフォーマンスを見せられただけに、非常に残念に思っている。だからこそ、フランスＧＰは絶対に雪辱を晴らすべく臨む」
「アメリカＧＰでのヤルノ・トゥルーリの結果は、我々がどれだけの力を持っているかを示しており、再びポイント圏内での戦いが出来ると思っている。先週シルバーストーン・サーキットでテストの機会を得たが、非常に有意義なテストとなり、その日のベストタイムを刻むことが出来た。テストは順調に進み、全くトラブルも無かった。今週末は十分にポイント圏内での戦いが出来るはずだ。また、今週土曜日は私にとって３２歳の誕生日であり、予選での好結果で誕生日を祝うと共に、ポイント獲得という良いプレゼントを持ち帰りたい」

ヤルノ・トゥルーリ
「個人的には、フランスを訪れることを楽しみにしており、マニクールでは何度か良い結果も得ている。過去にはフランスのチームに属していたこともあり、私はフランス語も話すことが出来るので、フランスのファンとは良い関係を築いており、いつも非常に家庭的な雰囲気を感じている。マニクールは、高速で広いコーナーと、高速シケインを持ち、とてもテクニカルで、ドライビング面でも興味深いサーキットだ。このため、レースカーには良いハンドリングと安定性が要求され、異なるタイプのコーナーを快適にこなせる必要がある。金曜日の公式練習開始直後から、全力で作業を進めて行くことになるだろう。前戦アメリカＧＰでは、私自身とチームの努力によって、素晴らしい結果を得ることが出来た」
「アメリカＧＰのレースウィーク開始直後は、６位という好ポジションでフィニッシュ出来るとは考えてもいなかった。しかし、我々はミスを犯さず、完璧な信頼性と共に好結果を得た。このことは、我々が良い結果を得られる可能性を持っているということを示しており、再び上位グループでの戦いが出来ると期待している」

パスカル・バセロン
シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「次戦フランスＧＰでは、再び標準的な空力パッケージを必要とするサーキットに戻るため、空力面でいくつかのアップデートを行う。第５戦モナコＧＰ以来、特殊な空力パッケージのレースが続いて来た。モナコはもちろん高いダウンフォースを必要とするサーキットだが、カナダとアメリカは低いダウンフォースの設定が求められた。フランスＧＰは、第４戦スペインＧＰで使用したものに近いパッケージに戻る。とはいえ、スペインＧＰ以降我々は開発を続けて来ており、今週末には新しい空力パーツを持ち込むこととなる。アメリカＧＰでは、スペインＧＰ同様、低いダウンフォースと低いグリップのために我々はそれほどの速さを見出せなかった。そのため、再び我々が多くの努力を集中して来たパッケージに戻ることに期待しており、レースを楽しみにしている」
「ヤルノ・トゥルーリがアメリカＧＰで素晴らしいパフォーマンスを見せ、６位フィニッシュを果たしたことは、我々の“TF107”が上位争いが出来るポテンシャルを持っているということを明確に表している。フランスＧＰでは、上位チームとの差を縮め、ポイント圏内で強力なパフォーマンスを示せることを望んでいる」

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