ウイリアムズF1チームのテストドライバー、ナレイン・カーティケヤンが、A1GPへの参戦を決め、今週末、ニュージーランドのタウポ・レーストラックで行われる第6戦でチーム・インドのドライバーとしてデビューすることになった。
2006年にウイリアムズのテストドライバーを務めるカーティケヤンには、ジョーダンからF1参戦を果たした2005年シーズンを含めた10年間に及ぶレースキャリアがあるため、前任のドライバーに欠けていた経験という部分を補えるはずだ。カーティケヤンは、F1に力を注ぎながらも、どうしても戦いの場に戻りたかったと語り、A1GP参戦を許可したフランク・ウイリアムズに感謝の気持ちを述べた。
「サー・フランクは、僕がレースに出ることに快く賛成してくれた。でも、チームでのテストを常に最優先するつもりだ」とカーティケヤン。
「サー・フランクのサポートには心から感謝しているし、F1の世界にいられて幸運だと思っている。ただ、ドライバーなら誰もがそう思うように、僕も速いクルマで戦いたいんだ。ここ数カ月の間、アメリカや日本のチームからドライブのオファーをもらった。僕がA1GPを選んだのは、レース日程がF1の仕事と重なっていないからだよ」
「チーム・インドのパフォーマンスを向上させ、さらにA1GPが母国インドで盛り上がるように手助けしたい。2シーズン目に入っているところで加わるわけだし、どのチームも経験豊かなドライバーと仕事をしているのは分かっている。だけど、チームが僕の助けによって一気にいろんなことを学び、入賞できるほどに向上できたら、すごく嬉しいだろうね」
カーティケヤンは、10代のアルマーン・エブラヒムに代わってステアリングを握る。チーム代表のヨハン・J・セトナは、カーティケヤンの経験がチームをより前進させるだろうと語った。
「ナレインがニュージーランド戦からチーム・インドに加わることになり、とても喜んでいる」とセトナ。
「かけがえのない経験がチームに持ち込まれるだろう。我々は、彼にコンペティティブなマシンを用意できるはずだ。彼がこのマシンを走らせ、将来的にF1のレースシートを確保できるように願っている」
「彼は我々にとってかなり貴重な存在であり、本人も他に類を見ないA1GPの環境そのものを楽しめるはずだ。インドの人たちは、ニュージーランドで自分の国のために走るナレインの姿に誇りを感じることだろう。彼が今シーズン、それ以降と、何戦にも渡って出走してくれたら嬉しい」