プロドライブのデイビッド・ラップワースによると、彼らのF1プロジェクトは順調に進んでいるという。ただし、2008年にF1に参戦して、このスポーツで望むポジションに達するためには、少なくとも5年か、あるいはもっとかかるだろうということだ。
プロドライブは今年の4月、FIA F1世界選手権で12チームの参戦枠の最後のひとつを勝ち取った。どこのエンジンを使用するかを含めて、まだ公式にはほとんど何も発表されていないが、英クラッシュネット・ラジオに対してラップワースがウェールズ・ラリーGBの際に語ったところでは、物事はうまく進行しており、彼らの目標は新しくなるこのスポーツに沿ったチームを作り上げることだという。
新しいF1では、特に“グリーン”テクノロジー(環境保全技術)がより強調されることになる。
「もちろん、あまりたくさんのことはお話しできないが、たいへん順調に進んでいる」と彼はコメントした。
「物事をどのように作り上げていくか、今はよく分かっている。過去6カ月、それが懸念材料だったのだが、どうしたらいいのかが分かってきた。焦ってスタートするより、正しい計画を立てることの方が重要だ。私たちがほかの連中のようにやり始めて、500人のスタッフを雇い、F1マシンのナットやボルトやワッシャーをひとつひとつ作ろうとするだろうと、みんな思っていた。だが、私たちはそういうことはしない」
「私たちは、望む位置に到達するためには、少なくとも5年計画になると認識している――そして私たちは一度に一歩ずつ進んでいくつもりだ。だがそれはうまく進んでいるし、興味深い側面は、私たちがそれを今やろうとしている理由でもあるが、F1が非常に大きく変わろうとしているということだ。2008年は、たくさんの新しいレギュレーションがスタートするし、FIAにもF1にも新しい哲学が導入される。だから、まさに私たちにとって最適の時なのだ。私たちはほかの連中を真似する必要はない。私たちは、F1チームが今から5年後にどうなっているかを推測することができる――5年後のF1チームがどんなふうに見えるかをね。そしてそういうチームを作るようにしていけばいいのだ。そしてもちろん、実際にどうなるかは誰にも分からないし、今から5年で何かを作ろうというのはチャレンジだ」
エンジンの凍結と、それに対するプロドライブの反応について聞かれたラップワースは、自分たちにとってだけでなくスポーツ全体にとっても、それはポジティブな進展だと語った。
「それは短期的に見て(私たちにとって)いいことだ」と彼は続けた。
「それは私たちが(F1に)参戦する理由のひとつだ。2008年のレギュレーション変更は、短期的に見て、新チームがF1に参入することを容易にするだろう。だが、その背後にある考えも理解しなくてはならない」
「多くの人たちが、エンジン凍結に関してFIAのしたことを否定的に解釈しているが、肝心なのはエンジン凍結自体ではない。それは、実際にはすべてのエネルギーをよそに向けることなのだ。つまり、F1には優秀なエンジニアたちがいるし、本当によくまとまって、しっかり組織化され、モチベーションも高いチームが存在する。彼らのしていることは素晴らしい。だが今まで、技術は特にある方向に向けられてはおらず、単に誰が一番速い車をつくれるかをはっきりさせるための戦いに終始してきた」
「今や、哲学が完全に変化しようとしている。FIAはこう言っている。私たちがしようとしているのは、そういうすべてのエネルギーを、ふさわしい技術の創出に向けることだと。だからこそ面白いのだ」
プロドライブのF1マシンが実際にはいつコースにお目見えし、テストを開始するのか、ということに関しては、ラップワースは来年の終盤になりそうだと語った。
「当然ながら、私たちは2008年の3月までには機能していなくてはならない。そしてそこから逆算すると、常識的には、チームの核となる基本の部分は、来年秋までにはまとめていく必要がある」
「クリスマス前に走行を行い、チームワークをさらに向上させていく必要がある。それから3月まで全力で頑張らなければならない。私たちにとって、かなり忙しい18カ月になるだろう」